CHU−NI
『CHU−NI』
登場人物
本田 雅也(ホンダ マサヤ)…中二病患者。空想・設定好き・変態
あまり人の話を聞かない
与那城 螢(ヨナシロ ケイ)…雅也の旧友。常識人?苦労人・お節介・良い奴
ナレーション(雅也)「俺の名は本田雅也。もっとも、この名前は
この世界を忍んで生きていく為の仮の名だ。
俺の真の名は陽炎(かげろう)。
悪魔退治を生業とする一族の末裔だ。
16歳の時、俺の中で眠っていた悪魔祓い(エクソシスト)の血が突如として
覚醒したのだ。
同時に、闇で生きる運命を課せられた…。
表向きは一般的な高校生。裏では闇に紛れ、人知れず悪魔を狩る毎日。
今宵も、俺の右手が疼きだす…」
明転。校舎の屋上。
座り込み、右手を押さえて苦しそうな様子の雅也
それを怪訝そうに見ている螢
雅也「くそ…静まれ…!」
螢「おい、大丈夫か?」
雅「螢、離れていろ…。ここにいると、お前まで危険が及ぶ」
螢「どうなるんだよ?」
雅「この学校が消し飛ぶ」
螢「どんだけ全力で逃げなきゃいけねぇんだよ!手遅れだよ」
雅「うぐああ!!いかん、俺の中の魔獣が暴れ出す…!」
螢「あのなぁ、週単位で校舎吹き飛ばされてちゃあ、こっちもいい迷惑だよ」
雅「は、早く……逃げるんだ!!」
螢「はいはい、逃げます、逃げます」
その場から離れようとする螢
雅「待て」
螢「どうした?」
雅「俺の中の魔獣が静寂を取り戻した…」
螢「寂しいんなら素直に言おうなー?」
雅「寂しい…?俺はそんな感情は生憎と持ち合わせていない」
螢「なぁ、雅也。お前、その過剰な中二病体質、いい加減何とかならないのか?
もう皆、ドン引き通り越して許容しちゃってんのもどうかと思うけど…」
雅「お前らは何もわかっていない!これが人間のあるべき姿なんだ!
人は誰しも他人とは違う可能性を秘めている。
それなのに、あろうことか病気扱いとは…。
嘆かわしくて言葉もない」
螢「そこまで熱くならなくても…。まぁ、個性として受け取ってるけどさ」
雅「大体、お前もその可能性を十分に秘めていることを理解しろ、螢」
螢「は、俺?」
雅「そうだ。お前の名前は何だ?」
螢「え、螢だけど…知ってんだろ?」
雅「違うッ!フルネームで言ってみろ!!」
螢「与那城螢…」
雅「すげぇ主人公っぽい…」
螢「知らねぇよ!?お前の中の主人公の基準がわからねぇよ」
雅「俺なんか…本田で雅也だ。一般的過ぎてヘドが出る」
螢「お前、お母さんと全国の本田さんと雅也君に謝れ」
雅「まぁ、もっとも?この名前は世を忍ぶ仮の名だ。真の名は陽炎」
螢「っていう設定なんだよね?」
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