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デスクの上は片づけましょう

デスクの上は片づけましょう

　場面は某会社のオフィス。
　上司と部下がいる。
　上司は椅子に座り、部下は傍らに立っている。
　上司の机の上は書類やら筆記用具やらが散らかっている。
　上司は部下に説教をしているようだ。

上司「あの書類がなかったから、お客さんとの行き違いがあったんだぞ」
部下「すみません」
上司「お前が俺の机の上から勝手にものを持ち出すからこういうことになったんだろ」
部下「すみません」
上司「持ち出したらすぐに返してくれよ。まったく」
部下「・・・すみません」
上司「お前はいっつもそうだよな。俺の机の上からなんでも持っていく」
部下「・・・はい」
上司「そして返さずによく無くすよな」
部下「・・・はい」
上司「ペンとかハサミとか使ったら使いっぱなし」
部下「・・・・・・」
上司「書類もファイルも勝手に持っていくし」
部下「・・・・・・」
上司「俺の私物でも勝手に使って無くすよな」
部下「・・・すみません」
上司「ほんとにお前はどうしようもないな」
部下「・・・はい」
上司「・・・・・・」
部下「・・・・・・」
上司「・・・まあ、俺も自分の机を片付けてないのは悪かったけどさあ。
　　　ま、仕事の効率とか考えると、俺の私物のホッチキスとかでも使っていいからさ。ちゃんと戻してくれればそれでいいから。今度から気をつけてくれよ」
部下「はい」
上司「ちゃんと仕事がんばれよ」
部下「はい」
上司「ほら、（机の上のもの）なんか持って行っていいから」
部下「・・・マジすか。おいみんなー！　持って行っていいってよ！」
上司「！？」

　30人ほどの社員が現れる。
　それぞれが思い思いの物品を物色する。
　口ぐちに思い思いのことをのたまい、机の上のものを持っていく。
　唖然としながらも戸惑いを隠しきれない上司。
　全員が再びいなくなる。
　気付けば、部下もいない。
　上司はオフィスに取り残されている。
　机の上には何も残っていない。

上司「・・・まあ、片付いたけどさあ」

　暗転。

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