リア充

リア充作 牧 真一


○登場人物

・男
・かおり
・ユキ(マッチョ)
・山本(女教師)
・ひろみ(実は男)
・シゲ(タバコ屋のおばあちゃん)
・ありさ(かおりの妹)
・ナレーター




1.大学構内のカフェ

     学生達で込み合う大学内のカフェ。
     学生食堂ほど広くはなく、がやがやしている訳でもない。
     学生達が世間話に興じている。
     窓際にある二人席で、男とかおりのふたりが向かい合って
     座っている。

男   「悪かったね。呼び出して」

かおり 「(不機嫌そうに)別にいいわよ。それで、何の用?」

男   「ちょっと相談に乗って欲しくてさ」

かおり 「相談? どうせろくでもないことでしょ」

男   「(語気強めに)真剣なんだって! 本当だよ」

かおり 「(不機嫌そう)んで? 何よ。相談って」

男   「……実は俺、四又しててさ」

かおり 「帰る」

     椅子を引く音。

     席を立つかおり。すかさず男、かおりの袖をつかむ。

男   「ちょっと待てって! まだ、話始まったばかりだろ?」

かおり 「どうせ、ろくでもない話かと思ってたけど、ただののろけ話じゃない!
     そんな話に付き合ってやる程、わたしは暇じゃないのよ」

男   「頼むよ。昔付き合っていたよしみでさ」

かおり 「一年も前の話だけどね。
     あんたのような男と付き合っていたかと思うと、涙が出てくるわよ」

男   「でも、今でも親身になってくれるのはかおりだけなんだ。
     助けると思って、相談に乗ってくれよ」

かおり 「(ため息)わかったわよ。(椅子に腰掛ける)で? どうしたいの?」
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