蒼華
『蒼華』


■登場人物

華岡かがみ (はなおかかがみ・♀・25歳・流浪の居合使い)
華岡いずみ (はなおかいずみ・♀・25歳・札幌開拓使庁開拓長官夫人)
華岡昭満  (はなおかあきみつ・♂39歳・札幌開拓使庁開拓長官)
シウニン  (しうにん・♀・15歳・蝦夷人の少女)
吉川英継  (よしかわひでつぐ・♂・29歳・富田の腹心)
北本謙蔵  (きたもとけんぞう・♂42歳・開拓使)
北本その  (きたもとその・♀・41歳・謙蔵の妻)
野上八重  (のがみやえ・♀・32歳・いずみの侍女)
富田常雄  (とみたつねお・♂・40歳・札幌開拓使庁開拓判官)
山口荘八  (やまぐちそうはち・♂・25歳・吉川の部下)
川井松子  (かわいまつこ・♂・24歳・吉川の部下・荘八の従兄妹)
笹原佐保  (ささはらさほ・♀・32歳・謙蔵の隣人)
笹原幹夫  (ささはらみきお・♂・30歳・佐保の夫)
蠣崎小鉄  (かきざきこてつ・♂・20歳・シウニンの友人)
華岡きよみ (はなおかきよみ・♀・25歳・本吉藩藩主の妻)










      プロローグ
      暗がりの中かがみを中心に英継、謙蔵、その、八重、富田、荘八、松子、佐
      保、幹夫が立っている。

かがみ  それは……私の最後の記憶。

全員   激しく時化る大海原。

いずみ  始まりは小さな船での出来事。

きよみ  私は知らなかった。

全員   吹き付ける冷たい雨。

いずみ  私は信じていた。

全員   鳴り止まぬ雷。

かがみ  私はなくした。

全員   それは嵐の只中。

かがみ  私は……生きている。

      かがみといずみが去る。
      1854年(嘉永7年)12月24日。本吉藩沖合を進む商船の船上。夜。
      きよみがやってくる。誰かを探している様子。昭満がやってくる。

昭満   きよみ様?どうなされました。

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