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マザーグースとおとぎの住人

マザーグースとおとぎの住人
作：チゴサッカロミセスルーキシー
アリス（女）
シロウサギ（男）
女王様（女）
スズメ（女）
ツグミ（男）
コマドリ（男）

コマドリ「誰が駒鳥殺したの？」
アリス「わたし、とすずめがいいました　わたしの弓矢で　わたしが殺した」
コマドリ「誰が駒鳥死ぬのを見たの？」
ウサギ「わたし、と蝿がいいました　わたしのこの眼で　死ぬのを見た」
コマドリ「誰がその血を受けたのか？」
スズメ「わたし、と魚がいいました　小さなお皿で　わたしが受けた」
コマドリ「誰が経帷子を作るのさ？」
ツグミ「わたし、とかぶと虫がいいました　針と糸とで　わたしが作る」
コマドリ「誰がお墓を掘るだろう？」
女王様「わたし、とフクロウがいいました　すきとシャベルで　わたしが掘ろう
コマドリ「誰が牧師になるのかね？」
アリス「わたし、とカラスがいいました　聖書を持ってる　わたしがなろう」
コマドリ「誰がおつきをしてくれる？」
ウサギ「わたし、とヒバリがいいました　真っ暗闇でなかったら　わたしがおつきになりましょう」
コマドリ「誰がタイマツ持つのかな？」
スズメ「わたし、とベニスズメがいいました　お安い御用だ　わたしが持とう」
コマドリ「誰がお棺を運ぶだろう？」
ツグミ「わたし、とトンビがいいました　もしも夜道でなかったら　わたしがお棺を運びます」
コマドリ「誰が覆いをささげ持つ？」
女王様「ぼくら、と言ったはミソサザイ　夫婦二人で　持ちましょう」
コマドリ「誰が讃美歌歌うのか？」
アリス「わたし、とツグミがいいました　小枝の上から言いました　わたしが讃美歌歌います」
コマドリ「誰が鐘を突くのかね？」
ウサギ「わたし、と牡牛がいいました　なぜならわたしは力持ち　わたしが鐘を突いてやる」
全員（コマドリ除く）「かわいそうな駒鳥のため　鳴り渡る鐘を聞いたとき
空の小鳥は一羽残らず　ため息ついてすすり泣いた」

コマドリとスズメ以外はける

コマドリ「ごめんね、君以外には頼めないんだ」
スズメ「私は、大丈夫。コマドリこそ、本当にこれでいいの？」
コマドリ「彼女がいないなら、ボクがここにいる意味はないからね。未練はないよ」
スズメ「そう…」

スズメ　弓を構える

スズメ「さようなら、コマドリ」
コマドリ「ありがとうスズメ。ごめんね」

暗転

アリスとシロウサギ

アリス「ハンプティ・ダンプティが塀の上　ハンプティ・ダンプティがおっこちた　王様の馬みんなと王様の家来みんなでも　ハンプティを元に戻せなかった」
ウサギ「なに生々しい歌うたってんのさ」
アリス「・・・ハンプティってさ、卵よね」
ウサギ「確か」
アリス「一説によると、ハンプティは大砲だっていう話もあるのよ」
ウサギ「え、でも見分けつかないじゃん。卵かどうかも怪しいよ。落ちて、割れて、ぐっちゃぐっちゃで、元の形がまったくもってわかんないし」

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