夢叶人
夢叶人
和幸:男
叔父:男
敬子:女
引ったくり犯:男
夢叶人:男(声のみ)
和幸:もう俺には普通の生活に戻ることは出来ないのである・・・。
今なら分かる普通に生きることがどれだけ幸せなことか。
あの時、あんなことを口にしなければ・・・・・・。
暗転
和幸:ごほ、ごほ。一体前に掃除したのはいつなんだよ?
叔父:まあ・・・そうさな。50年は前になるかの?ここは開かずの蔵だったからな。
しかし、それだけ古いということは、骨董品が眠ってるってことじゃ。
一生懸命掃除しろ。そうすれば約束どおり好きなもんを持っていくがいいさ。
和幸:つってもさあ。骨董品とか言う以前にさ・・・こんなのゴミだぜ。
叔父:ものの価値というものは自分で決めるもんさ。
お前ゴミと思えばそれはゴミになり、宝と思えば宝となる。
和幸:ものはいいようだな・・・・ん?
叔父:なんじゃ?いいものでもあったか?
和幸:いや・・・別に。(1冊の埃だらけの本を手に取る)
叔父:いいものがあったならよこせ。
和幸:さっきと言ってることが違うじゃねえか?
和幸:(独り言)俺はなぜがその本を自然と選んでいいた。
理由は分からないが・・ひきつける何かがこの本にはあった。
叔父:もうこんな時間か・・・疲れた。わしゃ寝るぞ。
和幸:ああ、俺はもう少しここにいる。
和幸、本を手に取り読み出す。
和幸:夢叶人・・・ありとあらゆる夢を叶える神。
しかし、あまりに強欲で自分勝手で嘘つきであったことから、僧により封印
されてしまった。しかし、封印されてもなお死ぬこともなく数百年以上生き
る続けている・・・・。ってなんだこりゃ?ふざけてるのか?
・・・封印されてる場所が・・・ここの裏山じゃねえか?
・・ちょっと行って見るか。
暗転
和幸が洞窟に入ってくる
和幸:ここは・・・。
(薄暗い部屋にはろうそくが並び壁に無数のお札が貼られている)
和幸:(壁を見ながら)お札だ・・・。壁に字が・・・夢叶人?こっちも。
っていうか壁中に字が・・・。
夢叶人:おめえの願い。かなえてやるぜい。
和幸:!!!どこだ!!
夢叶人:おめえさ目の前にいるでねえか。
和幸:なにもいないが?
夢叶人:おめえの目の前につぼさあるだろが。それんなかにおるわ。
和幸:もしかして・・・夢叶人?
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