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明転。
遥(はるか)が椅子に座って、人形を作っている。
遥 はぁー。やっと出来たわ♪………えー？もうこんな時間なの？人形作りも楽じゃないわよね〜。ま、いっか。依頼人さんの笑顔が見れるならば、深夜までの仕事でも。
遥、退場。椅子に座らされた人形が残る。
しばらくして瑠璃(るり)、響(ひびき)が入ってくる。
響 ねぇ、瑠璃。なんで人形屋さんになんか来たの？
瑠璃 ……やっと見つけたわ。
響 何を？
瑠璃 あたし達が探していたものよ。
響 まさかぁ。あれは、人の中にあるんでしょ？
瑠璃 人の中にはないの。むしろ、物の中なのよ。
響 でも普通、あれは物の中にはないものじゃないのかい？
瑠璃 あるわよ。ただ、人間が気付いていないだけ。
響 でも、この店のどこにあるかは、わかんないじゃない。
瑠璃 ……これ。
響 これ？
瑠璃 そう。この人形の中。
響 …どうするの？
瑠璃 どうするって、決まってるじゃない。
響 壊すの？この人形。
瑠璃 もちろん。あれを手に入れればいいんでしょ？
響 瑠璃、誰か来たよっ。
瑠璃、響、退場。
反対側から、遥がやってくる。
遥 誰？ ……おかしいわねぇ。人の声がしたと思ったんだけど。あれ？やだわぁ、私ったら、また部屋の電気つけっぱなしで。
遥、退場。
スイッチの音。
暗転。
明転。遥と人形が居る。
悠里(ゆうり)がやってくる。
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