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僕の話を聞いてくれ！　50分ver

僕の話を聞いてくれ

僕　　　…演劇部員の女子高生。

不思議な音楽と共に、幕が開く。
真っ暗な舞台。
そして、ひとつの光が『僕』を照らす。

僕　　「僕は演劇部の高校２年。
　　　　今日は公演の本番当日だ！
　　　　でも何も用意できなかった。
　　　　一カ月前くらいに『台本決めなきゃねー』って話が出た。
　　　　二週間前くらいに『そろそろやばいんじゃない？』って皆が焦り始めた。
　　　　一週間前にはもう皆諦めがはいってきて、『もうアドリブ劇でよくない？』
　　　　…なんていう話もでた。そうしたら…その通りになっちゃった！
　　　　で、楽屋でちょっと考えてたんだ。
　　　　今から何ができることがないかなーって、
　　　　僕は頑張って探したんだ。
　　　　で、見つけたんだ！
　　　　僕の話をすればいいんだ！
　　　　僕が僕の話をすればいいんだ！
　　　　そうすれば、話が尽きることもないし、
　　　　ちょっと繋ぎに困ってもなんとかやっていける気がしたんだ！
　　　　気が…しただけだけどね。
　　　　でも始めます！僕の話、始めます！」

僕　　「最近僕が考えてることはね！
　　　　本当の言葉って何だろうって。
　　　　これ、話してると長くなっちゃうんだけどね、あ、いや。
　　　　長い話しなきゃ時間もたないからするけどね、僕。
　　　　…最近僕が考えてること。
　　　　それは、言葉には『表』と『裏』があるっていうこと。
　　　　どういう意味かって言うと、
　　　　例えば近所のおばさんに『こんにちは！』って言う。
　　　　でも心の中では
　　　　『また酷い格好だな…え？ピンクのコートにエメラルドグリーン
　　　　とブラウンのストライプのロングスカート？！趣味わるーっ！』
　　　　…って思ったり。
　　　　例えば、『好きです！付き合ってください！』の告白の時。
　　　　でも心の中では
　　　　『これじゃ本当は言い足りないんです！
　　　　　付き合ってください！デートしてください！愛してるって言ってください！
　　　　　キスしてください！ …（音響《ピーッ》）…。』
　　　　…って思ってたり。
　　　　　　　　皆間逆のことを口にしたり
　　　　程度をおさえて口にしたり、
　　　　笑いたくも無いのに誰かに合わせて笑ったり、
　　　　泣きたくも無いのに誰かに合わせて泣いたり…
　　　　だったら、本当の言葉ってなんだ？
　　　　真実ってなんだ？

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