テープで固定して、半分に折るの。
テープで固定して、半分に折るの。
僕 … 22歳。忘れられない過去を持つ青年。勇樹。
貴女 … 今年で28歳になる予定だった女性。白いワンピース姿。彩子。
彼 … 『僕』の過去。当時6歳。
彼女 … 『貴女』の過去。当時12歳。
店長(父) … 喫茶店を経営している『貴女』の父。47歳。
曲が流れる。
曲が盛り上がったところで、幕開く。
舞台は上段、下段に大きく分かれている。階段は、中央、下手、上手に一つずつ。
中央階段前に、机が一つ、椅子が二つ。アンティーク調の、味のある喫茶店。
ベルが鳴る。スーツ姿の、『僕』が上手から入ってくる。
店長は、下手から登場。
店長 「いらっしゃいませ。」
僕 「こんにちは。」
店長 「…決めたんですね。」
僕 「…はい。」
店長 「どうぞ、こちらへ。」
店長は『僕』を席に案内する。
億の席に着き、手前の席側に、小さなプレゼントの箱を優しくそっと置く。
店長 「今年で、いくつだね。」
僕 「22になりました。」
店長 「22か。」
僕 「はい。」
間
店長 「彩子は、28か。」
僕 「…。」
店長 「あぁ、すまない。」
僕 「そんな、とんでもございません。…謝らなくてはいけないのは、私の方です。」
店長 「…いやいや…、君には、感謝しているんだよ。」
僕 「…え…?」
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