Parsons
Parsons
ここは天国。どんな人間に生まれたいのかを希望し、選択するところ。
神に認められれば、その力によって選択した人間として来世を生きる事が出来るのである。
舞台は、中央に箱馬がひとつ置いてあるだけ。
神の声はマイクで出す。
明転。
箱馬に座っている伊達。
金森は捌けている。
金森「あなたは人間ですか?」
伊達「はい。私はただの人間です」
金森「あなたはどうしてただの人間なのですか?」
伊達「超能力が使えないからです」
金森「あなたはどうしてただの人間なのですか?」
伊達「空を飛べないからです」
金森「あなたはどうしてただの人間なのですか?」
伊達「涙を流すからです」
金森「美しいですね。できることなら何人間になりたいですか?」
伊達「万能人間になりたいです」
金森「どうして万能人間になりたいのですか?」
伊達「みんなにほめてほしいからです」
金森「わかりました。あなたを万能人間にしてあげます」
伊達「ありがとうございます!」
暗転。
役者交代。
箱馬に座っている金森。
伊達は捌けている。
明転。
伊達「あなたは何人間ですか?」
金森「わたしは万能人間です」
伊達「どうして万能人間なのですか?」
金森「頭がいいからです」
伊達「どうして万能人間なのですか?」
金森「手先が器用だからです」
伊達「どうして万能人間なのですか?」
金森「いろいろな資格を持っているからです」
伊達「何か悩みはありますか?」
金森「みんなに嫉妬されるのが悩みかな」
伊達「できることなら何人間になりたいですか?」
金森「ダメ人間になりたいです」
伊達「どうしてダメ人間になりたいのですか?」
金森「彼らは気楽そうだからです」
伊達「わかりました。あなたをダメ人間にしてあげます」
金森「どうぞ」
暗転。
役者交代。
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