JUDGE MAN〜人生を動かし続ける者たち〜
<登場人物>
ニート 男
芸人 男
司書 女
歌手 男(役者は男性だが、女装して女性として演じる。わかりやすい女装で、かつ、まわりの人は絶世の美女と信じて状況が進む)
エリート 男
八百屋 男
1
明転。上手前に歌手がいる。
歌手 「お疲れ〜。マネージャー、たばこちょうだい。この後の予定は何だっけ?あぁ、取材ね。どんなこと聞かれるの?あぁそう。でも私、正直今回の曲好きじゃないのよねぇ〜」
照明転換。下手前に芸人がいる。
芸人 「いや、この際好き嫌いなんて言ってられませんから!はい、どんな小さな仕事でもやらせていただきます。で、今回は?あーライオンと…。いや、是非よろしくお願いします!」
照明転換。下手後ろにエリートがいる。
エリート「ダメだダメだ!お前はこんな簡単な文書も書けないのか!?今まで何をやっててきたんだ!?大体、近頃のお前はたるんでるんだよ。ぺちゃくちゃとしゃべってばかりいないでちゃんと働け!」
照明転換。上手後ろにニートがいる。
ニート 「嫌だよ、面倒くさい。僕ひとりが働かないからって日本がどうなるっていうんだ?僕は、ネットをして、パチンコして、おかし食って。それが幸せなんだよ。へ?知らないよ、そんなの。別にそんなもの作ろうだなんて思ってねぇもん。それに、どこにだって売ってるでしょ、そんなの?百円とかそこらで」
照明転換。中央下手寄りに八百屋がいる。
八百屋 「いやいや違うんだよ、奥さん!今日は十個で八十円だ!サラダにするもよし、煮物にするもよし!サラダにするなら人参さんときゅうり夫人も買って行ってちょうだい!今日は安いよ、安いよ〜」
照明転換。中央上手寄りに司書がいる。
司書 「はぁ…とは言われましても…すいません…。わたくし、司書をやっております―司書です。いや、ちゃんと名前はあるんですが、今日のところは司書と呼んでください。今回みなさんには、先日私が経験した貴重な体験をご覧いただきます。ある日、一通の封筒が私のもとに送られてきました。本来ならそれは郵送されるだけなのですが、その日は緊急を要したらしく、スーツを着た男性の方が封筒を手に私の目の前に現れたのです。(呼出状を受け取る)へ?呼出状?」
暗転。
賑やかなBGM
2
明転。芸人がいすに座ってパンフレットを読んでいる。そこに上手から司書が入ってくる。
いすに座る司書。しばらくして上手からエリートが入ってくる。軽帯電話が鳴る。電話に
出て、部屋を出る芸人。いすに座るエリート。次にニートが入ってくる。どっちに座ろう
か悩んで立ちつくしているニート。次にサングラスにマスクをした歌手が入ってくる。い
すに座る歌手。やっといすに座るニート。サングラスとマスクを外す歌手。
ニート 「(歌手を見て)あっ!あれ?誰だっけ??あの〜」
エリート「なんだね」
ニート 「あの女の人、誰だか分かります?どこかで見たことがある気がするんですよね」
エリート「今日初めて会う人ばかりなんだ、知っているわけないでしょう?」
ニート 「まぁ、そうですね」
八百屋が入ってくる。こそこそと入ってくる。
八百屋 「すいません、私の席…(歌手の顔を見て)あぁ!あなたは!!!」
歌手 「しーっ、大きな声を出さないでちょうだい」
八百屋 「やっぱりそうですよね?わぁ〜本物だ〜。妻が大ファンなんです!」
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