ももたろう
 ももたろう(作者 東京丈)

 登場人物 ナレーション(朗読):子どもa
      ももたろうA:子どもb
      おばあさん:大人(子どもでも可)
      いぬ:子どもc
      キジ:子どもd
      さる:子どもe
      おに・桃太郎B(二役):子どもf

①子どもdと子どもeが、ぶたい正面の左と右に分かれ、川のながれをあらわす小道具の、長いゴムひもをひっぱって立っている。これを指でびんびんはじくと、川のながれをひょうげん。

  ナレーション
 「むかしむかし、ある山おくに、おじいさんとおばあさんがくらしていました」

②おばあさんが左手より登場し、洗たくのマネをしている。

  ナレーション
 「ある日のこと、おばあさんが川でせんたくをしていると、桃がドンブラコ、ドンブラコと流れてきました」

③子どもbとfが、まん中で割れるようにさいくした桃のパネルのうらにかくれて、右(川上)からとうじょう。左に流れたり、もどったり、ユーモラスに演じる。

  おばあさん
 「あらま!これは大きな桃が流れてきたね。ようし、おじいさんに食べさせてあげよう。おいしそうな桃、こっちへ来い」

④おばあさんが桃をとろうとすると、桃が身をかわして逃げる。それをおばあさんがくろうして追いかける。(桃役の子どもd、eは、桃からでている足を大げさに動かして逃げる)そのうちようやく桃をつかまえると、川のゴムひもは地面において子どもd、e左右にたいじょう。
 おばあさんと桃は、ぶたいの正面に立つ。

  おばあさん
 「(かたで息をしながら)やっとつかまえた。まるで生きてるみたいだなあ(と桃の足をじろじろ見る)でも、くだものが逃げるはずないか。どっいしょ。重い桃だこと」

  ナレーション
 「おばあさんは、やっとのことでその大きなおいしそうな桃を、家へ持って帰りました。おばあさんは、さっそくその桃を切ってみることにしました」

⑤おばあさん、桃たちとしばらくその場で足ぶみし、家に帰ったことにしてから、ふところからおもむろに包丁(小道具)をとりだす。

  おばあさん
 「じいさま、川で拾ってきた桃を切りましょうかね。(観客側にいる関係者の、年長の大人を見ながら言う。年長の大人、オレはおじいさんじゃない、と手を振って否定する)ほらさくっとな」 

⑥子どもbとf、包丁の動きにタイミング合わせて、桃をまっぷたつに割って二人同時にすっくと立つ。なんと、ももたろうは二人いた。

  おばあさん
 「あらあ、(振り返って隊長を見ながら)おじいさん、ももたろうがふたりいますよ。どうしよう」

  ナレーション
 「おばあさんは、困ってしまいました。ど  ちらが本物のももたろうなのでしょう?  」
⑦子どもbとf、自分が本物と譲らず、肩をぶつけ合う。

  ももたろうA(子どもb)
 「ぼくがほんものだ」

  ももたろうB(子どもf)
 「ぼくのほうがほんものだ」

  ナレーション
「さあ困りました。ももたろうが二人もいては、おはなしになりません。それに、おに役がいなくなってしまうではありませんか。このさい、ジャンケンで決めましょう。ほら、ジャンケンポン」

⑧ジャンケンは出す手を決めておいて、ももたろうAが勝つ。ももたろうBは、あっさりとその場を去る。

  ナレーション
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