いつかのメリークリスマス
いつかのメリークリスマス
作・志野 英乃
ＣＡＳＴ リリコ （３年生 ♀）
コジコジ（３年生 ♂）
シロウ （３年生 ♂）
メグ （３年生 ♀）
うり （３年生 ♀）
かみとも（２年生 ♀）
びょん吉（２年生 ♂）
ハル （２年生 ♀）
ぐー （１年生 ♀）
出口 （１年生 ♂）
ペコ （１年生 ♀）
いかちん（１年生 ♀）
● １時 学校の中庭で ●
リリコ いつかのクリスマスの話をしましょう。その日はちょうどクリスマス・イヴ。
私、シノハラリリコは、学校の中庭のステージにある、大きな樅の木の飾り
付けをしていました。私の学校ではクリスマス・イヴの日、夜６時から選ば
れたグループがハンド・ベルの演奏をするのが習わしです。その年はちょう
ど私の所属する演劇部が担当になっていて・・・あ、ま、そんなわけで、そ
ろそろ物語を始めましょう・・・それじゃ、また・・・。
かみとも コジコジ先輩、行っちゃうんだよね、明日。
シロウ まさかこの時期に転校するとはな。寂しくなるよな。
コジコジ うん。
リリコ でも、すごく遠くに行っちゃうんじゃないんだもん、ね、コジコジ。
コジコジ 電車で１時間ぐらい。会いたくなったら、いつでも会えるって。
ハル 大学病院、今度は近いんですよね。
コジコジ うん。すごく近い。
リリコ コジコジ、今日は心臓だいじょうぶ？
コジコジ うん。だいじょぶだと思う。
シロウ よし、今日はコジコジの送別の意味もこめて、俺たち演劇部なんだけど、ハ
ンドベルの演奏がんばろう。
リリコ おー。
メグ、出てくる。
メグ みんなー、これコジコジのお母さんからの差し入れー。
それぞれ おおーっ！
かみとも 何ですかー？
メグ ケーキじゃない？
メグ シロウ君、食べなよ。（と、それぞれにケーキを配る）
シロウ あ、ありがと。
メグ あと、入口っちゃんも。
出口 あの、出口です。入口じゃありません。
メグ はい、りりりん。
リリコ うん。
メグ はい、コジコジ。
コジコジ あ、うん。
いかちん うり先輩、発進！
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