ミノタウロ…その愛
ver.2.0
『ミノタウロ…その愛』
(CIRQUE DE BLANCA #1『迷宮』のテーマによる告知用スピンオフ ver2.0)
作:白神貴士(ト書きは演出メモですのでご自由に変更を!)
★ナレーション
☆ミノタウロ
☆生け贄の女
***********************************************************************
明るくなると
何処とも知れぬ空間…頭を垂れる牛頭人身の男と、
寄り添う仮面の女が客席よりかなり高い場所に居る。
下半身は見えていない。
「もう朝になるよ」
そう女が耳元で呟き、私はまどろみから目を覚ましました。
ミノタウロ、目を覚ます
「そうか…朝が来るのか」
女との激しい愛の営みが、ぼんやりと霞んだ脳の中に蘇り
私は女の肩を抱きました。
ミノタウロ、女の肩を抱く。
「ねえ…朝が来る前に、もう一度」
女の体温が私の胸に伝わって
今までに感じたことも無いような温かい物が
心の底から沸々と沸き上がって来ました。
女、身体を寄せる。
ミノタウロ、顔を上げる。
「ねえ、お前は私を愛しているのかい?」
そう尋ねると
女は、ただ微笑んで
その指と唇を私の体に這わせました。
セリフの通り。
「お前はこんな私を愛しているのかい?」
女はまた微笑んで
私を押し倒し
私の瞳を上からじっと見つめました。
客席側に仰向けに倒れるミノタウロ。
客席からはミノタウロの鼻先と女の顔・上半身のみが見える状態。
「大好き…この黒い毛並み…銀色に光る角…
熱い鼻息…うなり声も…牙も…優しい指…熱い…」
女の指が私の顔や体を撫で
やがて私の頬が濡れている事に気付きました。
ミノタウロの顔を撫でる女の指が頬で止まる。
「どうして泣いているの?
…ねえ笑って…笑いながらいつものように抱きしめて。
1/2
面白いと思ったら、続きは全文ダウンロードで!
御利用機種
Windows
Macintosh
E-mail
E-mail送付希望の方は、アドレス御記入ください。