片仮名禁止令(漫画編)
A「おはよう」
B「おはよう」
A「今週のひとつなぎの財宝見た?」
B「見た見た。あの手が伸びる人間が主人公のやつな」
A「そうそう悪魔の実食って能力者になるやつな」
AB「あの海賊の冒険漫画な」
B「最近の『婦人・子供用の服で、身頃と腰から下の婦人服とが一続きになったもの』っておもしろいよな〜」
A「ん?」
B「だから、ひとつなぎの財宝な」
A「ああ。最初からそう言えよー」
B「結構がんばって忠実に表現したんだけどなあ、タイト――いや、題名を」
A「お前今危なかったな」
B「危なかったなー。片仮名禁止令が出てからなかなか漫画の会話するのが難しくなったよ」
A「じゃあ話戻そうぜ。ひとつなぎの財宝!」
B「主人公の兄貴、ピン――窮地だよな。あのキャ――登場人物、とても魅力的で、とても好きなのになあ」
A「今日のお前は非常に危ないぞ」
B「なんか片仮名使っちゃいけないと思うと、言葉が丁寧になるんだよなー」
A「俺は登場人物の中じゃあ三刀流の剣士が好きだなあ」
B「格好が良いですよねー。石斬るし、斬撃飛ばすし。海賊狩りの――三刀流剣士」
A「あと料理人な」
B「黒足の――料理人」
A「片仮名言えねえから、もうそうとしか表現できねえよ」
B「あ!あるぜ?」
A「なに?」
B「午前、三時」
A「おしい!」
B「大惨事」
A「いいね!」
B「よし、眉毛巻いた料理人はクリ――目標達成な」
A「他の登場人物って片仮名無しで表現できるのかなあ」
B「できるんじゃね?職業で呼べば」
A「航海士、考古学者、改造人間……あの鼻が長い奴どうする?」
B「嘘つきでいいんじゃね?」
A「ああね。一番最近仲間になった奴は?音楽家?」
B「骨?」
A「いいねー」
B「あのかわいい奴いるじゃん、ペッ――哀願動物」
A「小さい医者の奴な」
B「あれは揺るぎねえな」
A「なー。帽子かぶってて」
B「角が生えてる――」
AB「鹿!」
A「揺るぎねえ!」
B「ひとつなぎの財宝の会話って盛り上がるなー」
A「あー早く来週の月曜にならないかなー。続き読みたい!」
B「早く週刊少年『飛翔』読みたい!」
A「今の難易度高かったなー」
B「飛翔な飛翔」
A「あー、やっぱりワンピースはおもしろい!」
B「なー、ワンピ……」
AB「あ……」
暗転
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