ゴーストバスストップ
ゴーストバスストップ
人物紹介
仁………三十六歳。十三年前に事故に遭い、それ以来十三年間意識不明の状態で、
家族にも見放されている。数日前に目覚めたが記憶喪失。病院を抜け出す。
人情に厚いがお調子者。
真由美…推定二十五歳。謎の女性。実は幽霊であり、千尋の死んだ母。
性格は子供っぽく、マイペース。
千尋……十三歳。霊視能力を持つ中学生。生まれたばかりで両親を亡くし、
その両親に会いたくてバス停で待っていた。
引っ込み思案な性格だが、強い意思を持った女の子。
十三年前。
十二月二十六日。
午後六時二十九分。
雪。
ベンチの置いてある田舎のバス停。
女がやってくる。
それに続いて赤ちゃんを抱えた男。
女 あ、雪…。
男 ああ。
女 昨日降れば良かったのにね。ホワイトクリスマス。
男 ああ…。
女 なんか暗いなぁ。もっとはしゃぎなよ、仁って戌年でしょ?
男 関係ないだろ。
女 …寂しくなるね。
男 そうだな。
女 …いつ会えるかな?
男 …………。
女 今度はいつ…ううん、いいや。
男 真由美…。
女 ごめん。あたしのわがままのせいなのにね…。
男 気にすんなよ。…頑張ってな。
女 うん。千尋のことよろしくね。
男 ああ。
女 ふふっ、よく寝てる。当分会えないんだねぇ。忘れられちゃわないかな?
男 大丈夫だよ。母親なんだから。
女 そうだね。でも、仁の方が案外お母さんっぽいからなぁ。負けそう。
男 真由美が子供っぽ過ぎるんだろ?
女 ひっどーい。あたしは十分大人ですぅ。(ぶつくさ)…わぁ、見て見てもう積もってきた。
男 子供じゃん。
女 ほら、すごーい。
男 おい、危ないぞ。
女 大丈夫大丈夫。きゃっ!いったーい。
男 だから危ないって…
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