千年女王の夜は深く
神林響の冒険第一章
「千年女王の夜は深く・・神林響の冒険第一章・・」 作 結城 翼
献辞:不撓不屈の少年少女たちへ。勇気が何より!元気が一番!
☆登場人物
神林 響・・・地上からの「脱落者」でネズミと呼ばれる地下住民。天衣無縫、天下無敵の美少女(たぶん)。
カケル・・・・・地上からやってきた少年。
茉莉・・・・・・気位高そうな地底人の美少女。
ハリネズミ・・・ウガガなネズミの相棒。
ヤグモ・・・・・ぷっつん警備局員。地底人でありながら響の友達。
Ⅰプロローグ
ざっざっざっざっという軍隊が行進するかのような威圧的な音。
青い夜。壁に囲まれた地下の広場。
奥の方から光の束が放射状に降りている。
光はゆっくりと脈動する。
緊張感が漂う音があふれて、揺れる。
ネズミたちが恍惚として通る。
一段高いところに、純白のドレスに包まれた千年女王がいる。
その光景は確かにどこかで見た悪夢に似て奇妙なゆがみがある。
彼女は、やがて失望したように去る。
音はまだ完全ではなかったようだ。
ネズミたちも去り、静かに青い夜が明ける。
そしてただの青い朝が来た。
Ⅱネズミの朝
青い朝にふさわしい明るい音楽。
少女が歯磨きしながら出てくる。
胸には笛のような銀色のペンダント。
熱心に歯を磨いたと見えて、鏡にいーっをして一安心すると。
響 :よっし。
水を蹴立てたような元気な洗面。
手探りでタオルを探し、あったと見えて、勢い良く顔をふく。
響 :ふーっ。
と、ためいき吐き。簡単に髪を整える。
うまくいったらしく。
響 :よっし。
と、満足そうに、ヘアピンなんかをつけている。
パンパンと頬をたたき。
響 :OK。
口笛吹きながら、食卓を整える。
小さいテーブルにイスを一つ持ってくる。楽しそうに元気に。
写真スタンドも一つある。大事に拭いて、置く。
小さいお皿。カップも一つ。
台所とおぼしきところに引っ込んで、また出てくる。小さいパンが一つだけ。
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