楽劇 IWATOWAKE 2008 βver.0.8
楽劇IWATOWAKE2008 βver.0.8 by Takashi Shirakami

語り
アマテラス
スサノオ
イワトワケ(声)
タヂカラオ
オモイカネ
コヤネ
フトダマ
ウズメ
神馬
闇の神々

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■第1部■

【語り】
昔々…この世が生まれた頃
泥のように形もなく漂っていた地上にひとつの島が生まれた
そこへ天から降りてきた男女二柱の神、
イザナギとイザナミは結ばれて多くの神々を生んだが
イザナミは火の神を産んだ時の火傷が元で命を落とす。
妻に先立たれたイザナギは最後に作った三姉弟、
姉アマテラスに神々の棲むタカマガハラを
次のツクヨミに月の照らす夜の世界を
弟のスサノオに波しぶく大海原を
それぞれ治めるように言い渡した

けれど暴風のように荒々しい自然の子スサノオは
母の面影を偲んで豪雨のように涙を降らすばかり
いっこうに海原をおさめようとはせず
やがて姉アマテラスの治めるタカマガハラへと上陸した

  アマテラス、二柱の神(コヤネとフトダマ)と登場。
  神々に苗を渡して田植えをさせる。
  
【語り】
アマテラスはタカマガハラに国を建てるため
自ら先頭に立って、森を切り開き、田を耕し、畦を作り、稲を植えようとしていた。

  牛頭人身の恐ろしい神=スサノオ現れる。
  場内を嵐が吹き抜けるように駆けめぐると
  舞台へ躍り上がり、折角植えた稲を引っこ抜き放り投げる。

【語り】
スサノオはタカマガハラを吹き荒れて稲の苗を全て抜き去ってしまった…
けれどアマテラスは「スサノオがしたのなら仕方がない」と、これを許した。
  
  スサノオ、田の畦を壊し、川の水を放つ。
  コヤネとフトダマ、為す術もなく慌てふためき流されて行く。
  アマテラスは静かに立っている。
  見つめ合う二人…アマテラス、機へと向かい黙々と機を織り始める。

【語り】
スサノオは田の畦を破壊し、川の流れを田に放って、何もかもを押し流した。
それでもアマテラスは「スサノオがしたなら仕方がない」と、これを許した。

  スサノオ、アマテラスを見ながら神殿を打ち壊し、肥をそこへまき散らす。
  アマテラス、スサノオを見ようともせず、一心に機を織っている。
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