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そうよあたしはいぢめっこ

『そうよあたしはいぢめっ子』

　　　　　　武庫荘総合高校演劇部作

田中　男　サーティーナインアイスクリームバイト
真琴　女　サーティーナインアイスクリームバイト
綾　　女　田中のクラスメート
客　　女　サーティーナインアイスクリームの客

サーティーナインアイスクリーム店内。舞台中央にアイスクリームカウンター、その右にレジ、舞台左手には簡単な
イートインコーナーがある。舞台奥上手の方が50センチほど高くなっている。

カウンターに真琴が一人で立っている。
突然、電話がかかってくる。

真琴　　「はい、あなたにサンキュウ♪サーティーナインアイスクリーム尼崎駅上店です！あぁ店長？あ、今私一人
やねん。うん、ちょっとお使い中。まぁね。え、今日？そうなん？なんでまた。もうしゃあないなぁ。いつ頃？うん
分かったまかしといて。はい、はい。じゃあね。」

と、そこに田中がおもちゃの銃を持って入ってくる。入ってくる時に自動ドアの開閉音。以下、人の出はけのたびに
同じ音がする。
　
真琴　　「いらっしゃいませ！サーティーナインアイスクリームへようこそ！」
田中　　「(銃を真琴に向けて)おら、金出せや！」
真琴　　「きゃあ！」
田中　　「(手に持っていた黒い袋を渡して)この中に入れろ！」
真琴　　「(両手を挙げて)・・・！？」
田中　　「はよ入れろや！しょうもないことしよったら、これぶっぱなすぞ！」
真琴　　「はいっ！(レジを開けて中身を取ろうとして)・・・・・！いくらですか」
田中　　「あるだけ全部や！当たり前やろうが！(いらいらして)」
真琴　　「(あせりながら)えっと、・・・小銭もですか？」
田中　　「・・500円玉だけ入れとけや」
真琴　　「はいっ」
田中　　「待てっ！」
真琴　　「はい？」
田中　　「100円玉もや」
真琴　　「・・・はいっ」
田中　　「待てっ！」
真琴　　「・・・(もしかして)50円玉もですか？」
田中　　「余計なこと言わんでええ！(銃を突きつける)」
真琴　　「すいません！」
田中　　「お前一人か」
真琴　　「(声が出ない)」
田中　　「一人かゆうとるんや！」
真琴　　「は、はいっ」
田中　　「なるほどな。こんなちっさい店やもんな、可愛そうに(うれしそう)」
真琴　　「・・・」
田中　　「・・・ありがとうは？」
真琴　　「は？」
田中　　「可愛そうって気ィ遣ってもらっといて、ありがとうも言えんのか？」
真琴　　「あ、ありがとうございます！」
田中　　「・・・ええ気になるなっ！」
真琴　　「えぇっ？」
田中　　「ええ気になるなゆうてんねん。だいたいお前今、そんなんゆうてあんたも一人やんけって思ったやろ！」
真琴　　「そんなん思ってません！」
田中　　「嘘つくな！」

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