“Love&Pinch!”
※ひと席あいてますよ、お嬢さん。
『“Love&Pinch!”
※ひと席あいてますよ、お嬢さん。』
武庫荘総合高校演劇部
◆登場人物◆
葵祐樹(あおいゆうき)(ブルー)
泉桃子(いずみももこ)(ピンク)
五色茜(ごしきあかね)(レッド)
古家路子(ふるいえみちこ)(イエロー)
碧百合子(みどりゆりこ)(グリーン)
城原(しろはら)(白薔薇生徒会長)
黒原(くろはら)(黒薔薇副会長)
①
照明が点くと、どうやら空き教室。舞台奥に窓がついた壁、中央よりやや左に入口。舞台上手に掃除ロッカー。
教室内には机や椅子、カラーボックス、舞台上手にホワイトボード(人物相関図らしきものが書かれている)等が雑多に
置かれている。
緑のつなぎを着た清掃員の女(百合子)が舞台下手の入り口近くの廊下を掃除している。
机には赤いジャージを着てダンベルを手にした茜、椅子には何かを書いている桃子(髪にピンクのリボン)が座っている。
茜 「なぁ、続きどうなんの」
桃子 「秘密」
茜 「(ホワイトボードの名前を指さして)こいつの気持ち的には、行っちゃってるよな」
桃子 「まぁね」
茜 「んじゃ、こっちは?」
桃子 「微妙」
茜 「・・・な、手伝ったろか」
桃子 「けっこうです」
茜 「何でやねん!」
桃子 「茜先輩、漢字弱いから」
茜 「失礼やなぁ」
桃子 「幸子(さちこ)を辛い子(つらいこ)って書いたのどこの誰ですか。それカラシじゃないですか」
茜 「(ホワイトボードに書かれた幸子の上の横棒を一本指でなぞって消す)一本足りんと、大違いやなぁ。
漢字って奥深いわ」
桃子 「先輩も一本足りないんじゃないですか」
茜 「そうそう、頭のねじがね、ってこらぁ!」
桃子 「背中の一番上等(着ている赤いジャージの背中に書かれた文字)が泣きますよ」
茜 「ええやろ。これ気に入ってんねん」
桃子 「先輩、はっきり言いますけど、そのセンスやばいですよ」
茜 「!そんなん、あんたのリボンの方がずっとキツイし」
桃子 「ピンクのリボンは乙女のしるしなんです!」
茜 「乙女?そんなん言うたら私やって乙女やっちゃうねん」
桃子 「え?あ、おとこ?」
茜 「おーとーめっ!」
桃子 「じゃあリボン付けます?」
茜 「絶対嫌。私、りぼんより断然ちゃお派やってん」
桃子 「おっ、意外と乙女」
茜 「やろ?」
桃子 「いやでも、いくらレッドやからってそのジャージはないっしょ」
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