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BAR「さびしがりや」ラジオ版

「一人にしないで」　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　大沢ケイト

＊本作はラジオ用ドラマを想定して書かれたものです。

登場人物
　マツモト　リエ　　　一人暮らしＯＬ
　カメノ　ナオミ　　リエの会社の先輩

夜９時

○携帯電話の着信メロディーが鳴る

リエ　　　（上機嫌で）はいはいはい…っと

○着信メロディーが切れる

リエ　　　　もしもし？　ユーくん？　バイト終わったの？　
　　　　　　こっちは準備できたから、いつ来ても大丈夫やで。
　　　　　　ビールもあるし、チョコレートケーキも買っちゃった。
　　　　　　あ、そうだ。途中のローソンで明日の朝食のパン買ってきて。

○固定電話のコール音

リエ　　　（携帯に）あ、ちょっと家の方に電話かかってきちゃった。ごめん。
　　　　　　じゃ、あとでね！

○電話をとる音

リエ　　　　はい、マツモトです。もしもし…？　あ……（恐縮して）カメノ先輩。
　　　　　　おはようございます！　あ、夜だった。こんばんは！
　　　　　　は。今、どこ？　ですか？　家に決まってるじゃないですか。これ家の電話なんですけど。
　　　　　　は。よかったあ。ですか？　どういう意味ですか？　あれ？先輩？　カメノ先輩？
　　　　　　もしもし！？　切れた……。

○玄関のチャイムの音

リエ　　　　はあい。ユーくんかな。　え、ちょっと早すぎるのんとちゃう？

○スリッパで走る音

○チェーンをはずし、鍵を開ける音

カメノ　　　こんばんは。

リエ　　　　カメノ先輩！？

カメノ　　　いやあ、よかったわ、家にいて。留守だったらどないしよかと思ったわ。

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