メリー・ドール
「メリー・ドール」
黒川 零
あらすじ
小学校6年生のカオリは、父親と約束していたクリスマスの旅行が出来なくなった
悔しさで、家を飛び出してしまう。
迷子になったカオリは、道端で出会った人形師から、
不思議な人形を貸してもらう。
カオリが人形に家の愚痴を言っていると、人形が動き出して
「お父さんを困らせてやろう」と言い出す…。
キャスト
カオリ 小学校六年生の女の子。ひねくれ者でませている。
水野 カオリの父親。男手一つでカオリを育てている。
人形師 不思議な人形と一緒に旅をしている人。
メリイ しゃべる人形
ドール しゃべる人形
BGM。
照明が入ると、水野が一人でソファに座っている。
ちらちらと出入り口(上手)を気にしている。
どことなく手持ち無沙汰な様子。
そこへ、ランドセルを背負ったカオリが入ってくる。
カオリ:ただいま。
水野:お帰り、カオリ。
カオリ:あ、お父さん。めずらしく今日は早いじゃん。
どうしたの?会社、クビになっちゃった?
水野:まさか。会社は順調すぎて忙しいくらいだよ…。
カオリ:どうだか?最近多いんだよね、会社クビになったの隠して、
毎日公園とかで時間つぶしてる人。
水野:(ため息)…まったく、カオリには夢ってものがないのか?夢ってものが。
カオリ:あるよ。あのね、お父さんと結婚する事。
水野:本当かい!?(嬉しそう)
カオリ:ウソに決まってるじゃん。
水野:(落胆)
カオリ:だいたいアタシ、結婚なんかしないもん。
だって結婚したってお父さんみたいに離婚だの慰謝料だのでもめるんだから。
最初から一人のほうが楽でしょ?
水野:あのなぁ…。
カオリ:あのね、お父さん。イマドキ、夢なんか見てたってしょうがないって。
お父さんもアタシみたいに、もっとしっかりしなよ!
水野:(苦笑)かなわないな、カオリには。
ああ、そうだ。カオリ、ちょっと話があるんだ。
カオリ:何?
水野:明日の事なんだけど…
カオリ:ディズニーランド?それがどうしたの?
水野:あ…その…
カオリ:あ、そうだった、まだ計画立ててなかったよね!
う〜ん、何時ごろ行く?それに、どこから回るかも決めたいな!
お父さんなんか見たいアトラクションとかあるの?
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