0.07/宝クジが当たった男!
      
      
      
      
   「0.07/宝クジが当たった男」
      
      
      
                    竹村 直久
      
      
      
      
      
      
         登場人物
      
       高木 好介(36)パソコンメーカー社員
       斉田 公平(46) 同 高木の上司
       貝  梁子(29) 同 OL
       時川 真紀(23) 同 OL
       武崎 啓一(31)パソコン卸業者
       近江 芯 (48)パソコン販売業者
       中泉 瞳 (26)クラブホステス
      
      
      
      
      
      
 N 「時に西暦二千エックス年。日本の宝クジ法が改正され、
    その年の当選金額はその年の宝クジの売れ行きにより上
    下するシステムが採用されることになり、その最高当選
    金額は50億円に制定された。そして、今年の一等当選
    金額は42億円であった」
            
      舞台は倉庫の一室である
      上手にドアがある
      それ程広くもなく、殺風景で、隅の方には訳の分か
      らないガラクタが散らばっている
      壁には外に通じているらしい電話機がある
      下手の壁際に脚付の大きなホワイトボードがある
      
            
      ドアからスーツ姿の斉田公平に続いてOLの制服姿
      の時川真紀と貝梁子が、大きな、重そうなダンボー
      ル箱を一つずつ抱えて入って来る
      梁子は左手首に包帯を巻いている
      箱にはSLAVE2000と印刷されている
      3人とも汗をかいてフラフラである
      
斉 田「ちくしょう、やっぱりいないかもう、東京ビジコン販売
    さーん、東京ビジコン販売さーん!」
      
      辺りを見回しながら箱を床に置く斉田
      真紀が床に箱をドカッと落とす様に置く
      
斉 田「コラ! もっとそーっと置きなさいよそーっと! 一台
    二百万円もするコンピューターなんだよ」
      
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