フーとフ
『フーとフ』登場人物
高瀬大樹……学生の頃より喫茶店経営を夢見ていた男。基本的には自分にも他人にも寛容。時間にルーズなところが欠点か。
野々宮いづみ……好奇心旺盛で発想力が豊か。楽しいことが大好き。しかし、そんな浮つく自分をつなぎとめて欲しい願望も
ある。
有本美弥子……いづみの学生時代からの友人。お金もち。感情の起伏や思い込みが激しい。
笠島……高瀬の学生時代からの友人。
笠島広子……笠島の妹。しっかりもの。
(以下、登場順)
古内……学生の頃から『喫茶コンチェルト』の常連客。
有本範雄……美弥子の父。亭主関白。
有本まさ……美弥子の母。範雄に服従している。
墨田……いづみの婚約者。クールな商社マン。
ユリゲラー
レポーター
不動産屋
馬場……古内の友人。『喫茶コンチェルト』の常連客・ゲーム好きの大学生。
新札(アラフダ)……金融業者。
『新宿・中村屋』店員
笠島栄造……笠島の父。厳格。
タカセヒロキ……ゲームマニアの高校生。
※以下、必要最低キャスト数8名の割振り例です。ご参考までに。
1 高瀬大樹
2 野々宮いづみ
3 有本美弥子
4 笠島
5 笠島広子、有本まさ
6 墨田、新札、笠島栄造
7 古内、ユリゲラー、タカセヒロキ、不動産屋
8 有本範雄、レポーター、馬場、新宿中村屋の店員
『フーとフ』本編
プロローグ
T「2000年12月」
○喫茶『コンチェルト』(夜)
決して広くない店内。カウンター席に3〜5つのテーブル席。
高瀬大樹(51)がカウンターの中で仕事をしている。高瀬は年齢の割りに若い格好をしており、それでいて
違和感を感じさせない。
カウンター席には古内(41)がいる。
古内「いやぁ、何度やっても慣れないっすね、ホント」
高瀬「普通のひとは何度もしないよ」
古内「そりゃ、自分だってそうしたかったすよ。でも、どうにもうまくいかなくなっちまうんだから」
高瀬「どうせ、ふるっちが悪いんでしょ」
古内「そんなことないっすよ。そりゃ、彼女と一週間旅行に行っちゃったのは悪かったかもしれないけど」
高瀬「?彼女ってのは奥さんのこと?」
古内「ちがいますよ。ウチのとは別の、当時つきあってたひと」
高瀬「だったらやっぱりふるっちが悪いよ」
古内「でも、昔の話なんすよ」
高瀬「昔?どれくらい前?」
古内「結構前っすよ」
高瀬「だからいつ」
古内「11月のあたまだから…」
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