白狼物語
『白狼物語』作・ながみねひとみ
総数6人 女2 男4
ルディ♂(ディール♂)…遺伝子操作で生まれた「クローン」の人間。
「オリジナル」を抹殺するために
日夜、街を巡り殺しをする男。
ロイ♂(クルー♂) …ルディと一緒に抹殺を繰り返す。「オリジナル」に
右目を提供したため眼帯をしている。
ネイラ♀(ミー♀) …ルディの恋人。「オリジナル」に腎臓を提供した
経験がある。「オリジナル」は自然を消滅すると
思っているため、ルディたちがやっている行為に
同意できないでいる。
ジャン♂(男2) …3人の兄貴的な存在「白狼」の話を気嫌いしている。
博士(男) …白狼の存在に気付いた第一人者。
助手(女・子供) …博士の助手。実は博士の娘。
影語り。
【プロローグ】
影1 ある時から始まった伝説…冬の寒い満月の夜。
村に現れる白い影。
影2 その正体を知るものは誰もいない。
影3 獣のような声はすれども目は光らず。
影4 足跡はまるで人間。
影5 人々はいつしかそれを獣が人に化けたものだと思いこみ。
影6 神の化身としてあがめるようになった。
一同 そして、それを人は「白狼」と呼ぶようになった…。
ジャン中央に立ち 吹雪の音。
ジャン 冬…、厳しい季節、俺達は山に狩りに行く。もちろん冬なので
なかなか、獲物はみつからない。でも俺のオヤジは雪が好きだった。
俺は雪がきらいだった、冷たいし、体は冷えるし、
それに食えない。そんな不満を俺が言うたびに、オヤジは言った。
「雪は一年間たまった山の汚れをを澄み切った春へと導く、
もし、俺が冬に死んだら雪山に葬れ」
俺そんなオヤジが好きだった。そして俺は思った。
もし、オヤジが死んだら…墓を掘ってやろうと…。
誰にも負けないように。誰もがひとめみてオヤジの大きさが
わかるくらいのでかい墓をほってやろうと。そう思った。
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