トオカ
−8月の詩−
トオカ−8月の詞−(ハチガツノウタ) 緋村カズキ・作
■CAST■
十夏 …高3
葉月 …ストリートミュージシャン
母 …十夏の母
店員1 …葉月がバイトしている店の店員
店員2 …上に同じ
友人 …十夏の友人
■SCENE−1■
(舞台は暗いままナレーション)
十夏 「もしかしたらそれは、全くの偶然だったのかもしれないし、或いは必然だっ
たのかもしれない。『運命』なんて大層なモノ信じちゃいないけど、人生を
変える出会いっていうのが本当にあるんだってことを知った―――あの夏」
(明転。駅前公園。紙を見ながら歩いている十夏)
十夏 「はぁー、またD判定か。こないだの学力テストも散々だったし。…やんなる
よなー、全く。頑張ったって全然どうにもなんないじゃん」
(ベンチに座る)
十夏 「高校最後の夏休みだってのに、毎日毎日塾通い。俺の青春はどこにあるんだ
よ。………あー、もう時間か。行かないと。……行きたくないけど」
(立ち上がろうとしてまた座る)
十夏 「サボろっかな」
(模試の紙をじっと見つめる)
十夏 「よしっ、サボり決定!」
(紙をくしゃくしゃに丸めて投げ捨て、立ち去ろうとする。その紙が葉月の
頭に当る)
葉月 「いてっ」
十夏 「え?」
葉月 「何だコレ。高3模試、志望校O大、判定は…」
十夏 「うわわわわ――!!」
(十夏、葉月から紙を取り返す)
1/15
面白いと思ったら、続きは全文ダウンロードで!
御利用機種
Windows
Macintosh
E-mail
E-mail送付希望の方は、アドレス御記入ください。