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let・it・ride！

成り行き任せの喫茶店

登場人物

神仁　明日人（じんに　あすと）
伊能　千太郎（いのう　せんたろう）
衛士村　孫次（えじむら　そんじ）

喫茶店の店内、物が散乱していて汚い。椅子の数も少ない。

ベルの音、千太郎登場、あたりを見回す。

千太郎「………？誰もいないのかな？こんにちは〜〜」
明日人「（奥から）ふぁ〜〜い…」

明日人登場

明日人「いらっしゃーい……(眠たげ)」
千太郎「……まじめに喫茶店経営する気あります？」
明日人「ご注文はお決まりで？」
千太郎「話し流さないでください」
明日人「ご注文は？」
千太郎「メニューも無いのに決められませんよ」

明日人、無言でメニューを渡す。

千太郎「コレ、一体何年前のものですか？紙がボロボロですよ」
明日人「ご注文は？」
千太郎「(ため息)……ブレンドで……」
明日人「かしこまりました」

明日人、ごそごそと何かをあさりだす。

千太郎「……何してるんですか？」
明日人「昭和物と平成物どっちがいいですか？」
千太郎「え？コーヒーにもワインみたいなヴィンテージ物ってあるんですか？」
明日人「いえ、ただ単に賞味期限が昭和か平成かってだけです」
千太郎「一体何年前の豆保管してるんですか！？」
明日人「(両手に豆の袋もって)ちなみにこちらが昭和63年9月26日、こちらが平成元年2月6日となっております」
千太郎「結局半年位しか違わないじゃないですか！？」
明日人「何を仰いますか、４ヶ月と１３日も違います」
千太郎「(頭抱え)……他に豆は無いんですか？できれば新しくて賞味期限が切れてないやつ」
明日人「注文の多いお客ですね……(さらにあさる)仕方ありません、マトモなやつを探してきましょうか」
千太郎「探さなきゃマトモな豆が無いんですか、この店は？」

明日人、奥へ退場

千太郎、手持ち無沙汰でそこら辺に転がっているものをいじりだす。
ハニワをいじると腕が取れる。千太郎、慌ててくっつけるが片方に腕2本の状態に。

明日人「（奥から）あ、ありました」

明日と奥から登場

明日人「………何かあったんですか？」
千太郎「（ハニワを隠しながら）あ……え、いや、ななななんでもないですよ、アハハ。あ、その豆、なんだか悪そうですよ、もっとべつなもの用意したほうがいいですよ、さっさと奥に行った方がいいですよ」
明日人「はぁ、わがままなお客ですね（奥へ）」
千太郎「…………（様子を窺って）今のうちに！」

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