見えぬ世界の向こう
見えぬ世界の向こう
夢のような幻想的な世界
本を持ったヒトたちがいる
太田 ファンタジー、それは幻想。
山吹 ファンタジー、それは夢。
久美子 ファンタジー、それは空想。
草樹 ファンタジー、それは物語。
和 ファンタジー、それは
世界が動き出す。本が開かれ、ライト・ウッド・ブロウが現れる
そして、うっすらとスノウも現れる
和がスノウへ振り向くと、本を持ったヒトが立ちはばかり、
本を閉じる。ファンタジーのキャラクターたちが去る
和以外のヒトも去る
放課後の部室
和が一人、本を読んでいる。そこへ久美子が来る
久美子 また、ファンタジー小説?
和 (久美子に気がつく)なんだ、久美子か。
久美子 なんだとは何よ。私が速水もこみちじゃなくて不満?
和 そんなんじゃないよ。
久美子 本当にファンタジー小説が好きよね、和って。
和 だってここには無限の世界があるのよ!現実で見ることが出来ないものが本
を通じてどんどん伝わってくる。私も登場人物たちと一緒に冒険をするの。
魔法を使ってお姫様を助けたり、嵐の中海賊船に乗り込んだり、またある時
は時空を超えて人と出会う。そしてこれは…
久美子 そしてこれは、3歳のとき、お姉ちゃんが絵本を読んでくれたのが始まりだ
った、でしょ?
山吹と草樹が来る
山吹 グッドイブニーング、文芸部の諸君。
和・久美 こんにちは、山吹先輩。
草樹 先輩、走るの速いっすよ。何をそんなに急いでいるんですか。
山吹 草樹君、君は今日が何の日か存知ないのかい?
草樹 大安吉日?
山吹 ノン!それに今日は友引だよ。
久美子 先輩の誕生日だ!
和 先輩おめでとうございます!
草樹 おめでとう、山吹先輩!
山吹 それは実は一昨日だった。
3人 おめでとうございました。
山吹 文芸部の大切なビックイベントが今日から申し込みが始まったのだよ!
和 それって
3人 創作コンクール!?
山吹 ぴんぽーん!流石、文芸部という自覚はあるようだね。全国高校生創作文芸
コンクール!もちろん、全員参加ね。
和 やっとこの日が来たんだ!私、ずっとこの日を楽しみにしていたんです!
山吹 いいね、いいね、和ちゃんのその輝いた目ステキよ。
草樹 和の作品は学内でも人気だからな。コンクールでもいい結果が出せるんじゃ
ないかな。
和 そんなにすごいモノはまだ書けていないよ。それにあれは草樹君が色々とア
ドバイスをしてくれたから
山吹 オーノー!申込用紙をロッカーに忘れてしまったよ。すぐに取ってくるから
ジャストモーメンプリーズ!
山吹が走って去る
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