KATASUMI
「カタスミ」 作・ながみねひとみ

人数は不特定です。
大勢で区切ってもいいし、少人数でもかまいません。

音響効果、照明効果はなくてもかまいませんが、雰囲気を作りたいので
あれば参考までに。



朗読:プロローグ
これは奥底、片隅で誰かがいった言葉だからそこまで深く考えず、聞き流して
くれればそれでいい
ただ、そうしていられなければ、きっと、あなたはカタスミの部屋に鍵をかけ
ているだけなんだよ。

○ニュース番組が始まるような音響効果、後にキャスターのコメント音

朗読:「今」

「近頃の若者はと…」また、偉そうに専門家が語っている。
過去に若者であった人達。俺たちの目には、あんたたちはただの年寄りにしか
見えない。
父親、母親ぐらいのおっさん、おばさんがテレビの前で、なんだかんだと、
わかったそぶりで会話する。
「今」の俺たちの何がわかる?
「俺にも、そんな時代があった。」といわれても「へぇ。」としか返せない。
素直になれ、生意気いうな…。はいはいはい。

お母さん、なんで勉強しなくちゃいけないんですか?うるさいです。
お父さん、毎日早く帰って来いっていうんですか?うざいです。

母親は「飯」と「洗濯」と「部屋の掃除」だけしてりゃいい。
父親は「それなりの小遣い」をくれればいい。

先生、家族って何?
そうやって簡単に答えてくれる先生はどれくらいる?

今、楽しいことはなんだろう。ネットのゲーム。
オンラインで遊ぶやつ。
顔知らないけど楽しい。

知らないと、クラスメートに「遅れてる」って思われるからやってる

それなにか間違ってる?

勉強しないやつはダメ?
夜遅く帰ってくるやつはダメ?

恋愛もダメ?
彼氏とか彼女とかって、そういうもんがあったから、
俺らが生まれたんじゃないの?

まだ早いって、じゃあ、いつならいいの?

大人ってダメダメしかいわないか。なんもいわないか。どっちかだ。

大人って意味わかんねぇ。
こんなんにはなりたくない。

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