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殿様

「殿様」
作　樋栄　邦直

あらすじ
「先代の殿が亡くなってから，お城の中では野望，嫉妬，策略，謀議が渦巻き派閥争いが絶えない。ところが，肝心の若殿様は・・・。」

登場人物

若殿様
じい
上田
上田家臣
長谷川
長谷川家臣
侍女１２３４

お城の中

じい　殿。そんな事では先代のような，立派な殿様にはなれませぬぞ。
侍女１　では〜もういちど〜やりませう〜。１＋１　は〜
ーーー殿様　周りを見渡す。
ーーー他の侍女２人が指を２本だして合図を送っている。

殿様　（侍女２人の２本を見て）・・４？
侍女２　残念〜。もういちど〜，１足す１は〜
殿様　もう，勉強はいやじゃ。

殿様　じい，今日は狩りをするぞ。
じい　お殿さま，今は冬でございます。
殿様　　かまわん。上田，そちらは馬をやれ。長谷川，そちたちは鹿じゃ。
殿様　　おお，馬と，鹿じゃ。さあいくぞ！！

ーーー殿，上田の馬にまたがる。
　　長谷川逃げる。
　　侍女たち，殿様を応援「殿様，ちゃちゃちゃ！殿様，ちゃちゃちゃ！」殿，鹿を捕まえる。

殿様　　召し捕ったり！！
上田家臣　上田様いつまでこのような事を続けるのでしょうか？
上田　　いまは我慢じゃ。なんとか取り入って関白の座を手に入れれば相手は子供。なんとでもなる。長谷川殿も気に入られようと必死じゃ。なんとしても関白の座を。

ーーー侍女たちと殿様，記念写真「ハイポーズ」

長谷川　殿に献上したき物がございます。これ，例の物をここに
長谷川家臣　南蛮渡来の「ぐいたぁー」にございます。
殿　　なにか，やってみよ。

ーーー慌てる家臣。長谷川がなにかやれと合図。家臣，弾き方がわからない。堤の様に肩に抱えて
長谷川家臣　いよ〜ポン。（ギターを叩く）
殿　　おお！うまいぞ！！　（扇子を開いて）あっぱれ！！
ーーー「右大臣」と書いてある扇子を渡す
長谷川　　はは，ありがたき幸せ。
長谷川家臣　長谷川様うまくいきましたね。
長谷川　ふふ，殿といってもまだまだ子供。「ぐいたぁー」のことなど，なも解ってはおるまい。

ーーー上田慌てて。

上田　殿様。南蛮渡来のお菓子「コン・コン・コン・・
上田家臣　「コンペィトウ」にございます。
殿　　（金平糖を食べさせてもらって）おお！うまいぞ！！　（扇子を開いて）あっぱれ！！
ーーー「左大臣」と書いてある扇子を渡す

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