爆裂電車内・受験編
或る電車内
男 二人(A、B)
女 一人
男二人、椅子に座っている。
A、Bの肩をしきりに叩く。
B、ウザそうにしているが、耐え切れずに反応。
B 「……何だよ」
A 「賭けしねえか?」
B 「賭け?」
A 「そう、ぎゃんぶる、だよ」
B 「……あのな。俺たちは今何をしているんだ?」
A 「電車に乗ってる」
B 「そう。電車に乗って、何処に向かっている?」
A 「大学受験の試験会場」
B 「そう」
A 「だから?」
B 「そんな事してる場合じゃないだろ。お前、緊張とかしないの?」
A 「まあ、しないなー。俺、緊張した事無いもん」
A、何かを思いついた顔。
A 「……夏になったら、金鳥するけど、な」
A、一人で爆笑。
B、冷めた目付き。
B 「ちょっと、うるせえよ」
A 「(残り笑い)……はー。まあ、そんなに固くなんなよ。大学受験なんか、ちょちょいのちょいで気付けば終わってるって」
B 「いーなあ、楽観的で。(小声)バカで」
A 「(気付かずに)え、何?」
B 「何でもないよ」
A 「で、さ。賭けしようぜ」
B 「……賭け、って何だよ」
A 「別に何でもいいんだよ。だって退屈だしよ。もう一時間も座り続けてるんだぜ? そうだな……(小声)あそこに、おっさんが座ってるだろ」
B 「ああ」
A 「あれ、おっさんだよな?」
B 「ああ、めちゃめちゃ禿げてるもん。あれでおばさんだったら、女性ホルモン無いにも程がある」
A 「あのおっさんが……」
B 「うん」
A 「次の駅に着くまでに、生きてるか死んでるか」
A、すごい視線。
B、戸惑う。
B 「で、お前どっちに賭けんの?」
A 「生きてる方」
B 「だよな。普通に考えたら、生きてるもんな。別に苦しそうにしてるわけでもないし。そんなエグい瞬間がそう簡単に見れるわけ無いしな」
A 「……うん」
B 「(穏やかにキレる)だったら賭けとして成立しねえだろうがぁ!」
A 「……うん、そうだな」
少し沈黙。
A 「じゃあさ、ペットを連れた人が次の駅で乗ってくるか、乗ってこないか」
B 「……さっきのよりはまだいいけどさ、何処から出て来たの、その発想」
A 「へへへへへ」
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