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五番目の願い事

「五番目の願い事」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　黒川　零

　キャスト

・近江　アヤメ　　高校１年生、女
・レグルス　　　　見習い天使、男
・スピカ　　　　　見習い天使　女
・カストル　　　　見習い天使　男
・カシオペア　　　見習い天使　女
・ミラ　　　　　　見習い天使　女

・サクラ　　　　　アヤメのダンス仲間、女
・ナズナ　　　　　アヤメのダンス仲間、女
・スミレ　　　　　アヤメのダンス仲間、女

・父親　　　　　　アヤメの父親
・母親　　　　　　アヤメの母親
・看護婦　　　　　アヤメの収容先の看護婦、女

・藤枝　　　　　　中学３年生、男

他に事故の目撃者にセリフがあります。

プロローグ

　オルゴール調の音楽が流れている。
　声だけ、または、閉じた幕の前に出てきてアヤメ。

アヤメ：とつぜん、手紙なんか書いたからびっくりした？
　　　　私がそんなまめなことしないの、あんたは良く知ってるよね。
　　　　こんなに急に手紙書く気になったのは、
　　　　・・・ううん、急じゃないの。
　　　　あんたは鈍感だから気付いてなかったかもしれないけど、
　　　　私には、好きな人がいるの。
　　　　それはね・・・。

　（間）

　　　　もし、あんたみたいなバカでもうちの高校こられたら、
　　　　私があんたの彼女になってあげるからね。
　　　　大変かもしれないけど、受験、頑張るんだよ。
　　　　　　　　アヤメ。

１
　幕があくと、交差点の風景。ノイズが入る中、信号待ちの人々。
　下手で待っている（この時点で中割りは閉じている）
　車のノイズが遠ざかり消える。車が来ていない。
　そこに上手からアヤメが出てくる。酷く急いでいる。
　信号は赤だが車がいないのをいいことに道路を渡ろうとするアヤメ。
　しかしそこにすごいスピードで車が入って来る。

女：あぶない！！
　
アヤメは事態に気付いて慌てるがどうしていいのか分からない。
　車のブレーキ音。アヤメの叫び声と重なる。

アヤメ：キャ―・・・

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