地球という星に生まれて
題名:「地球と言う星に生まれて」
作者:にゃがえ(元シアターちょこざい)

登場人物
 桃井 太郎
 異星人の♂(ポチ)/父親
 異星人の♀(コロ)/母親
 川本 明菜
 西田 健介


      1

      ある冬の夜。
      桃井の車に明菜が乗っている。
      明菜の手にはぬいぐるみ。

桃井:そしたら健介ったら、そのぬいぐるみ一個とるのに何千円も使っちゃってさぁ。いくら何でもあれはやばいと思うわ。

明菜:えー、そんな大金使ったぬいぐるみ、桃井君がもらっちゃって良かったの?

桃井:んー、でも俺が受け取らないと余計にかわいそうだろ?

明菜:まあね…。ほんと桃井君って好かれてるのね。

桃井:ま、あいつとは付き合い長いからな。小中高と一緒な学校で、大学になったら別々になったと思ったんだけど。
   大学統合でまた一緒になるんだから、すげぇ腐れ縁だよな。

明菜:健介君の桃井君への熱い想いを、神様が汲み上げてくれたんだよ。

桃井:そんなん汲み上げられても…。あいつも明菜みたいなかわいい彼女がつかまるといいんだけどな。

明菜:うわっ、恥ずかしっ!

桃井:なんだよー。こんなん言うのも若いうちだぞ。

明菜:そんな発言がオヤジ臭いような…。

桃井:なんでだよ、ピチピチの二十歳じゃん。

明菜:ピチピチって…。あっ!

桃井:何?忘れ物?

明菜:今見てなかった?流れ星。

桃井:流れ星?見えなかった。って言うか、こんな明るい空でよく見えたな。

明菜:結構大きい流れ星だったもん。

桃井:あー、明菜は目いいからな。で、なんかお願い事したの?「桃井君とずっと一緒にいられますように」とか?

明菜:はいはい。大体、流れ星が消えるまでに三回もお願い言える人なんているの?

桃井:さあ…少なくとも俺には無理だな。

明菜:早口言葉言えないもんね。

桃井:ははは、うっせーよ。…ほら、着いたぞ。

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