LEMONed I Scream
改訂版
LEMONed I Scream












カイ  男  15、6歳。半そでのシャツにジーンズなど割と普通の格好。

レイ  女  20歳位。タンクトップに丈の短いズボンといったラフな格好。

医者     30代半ば。ワイシャツにスラックス。その上に体のラインが隠れるくらいの白衣を。

警部  男  40代位。銭形(笑)

警官  女  25歳位。ワイシャツにスラックス、そしてスーツ。














     真っ暗な舞台。BGM、hide「LEMONed I Scream」
     しばらく流れた後、明かりがつく。
     舞台上には三人の人間が立っている。

医者   巨大で精密で一分のスキもない大量生産の中から、
警部   0.00001%あるいはもっとずっとちいさな確率で、
カイ   僕らの部屋にLEMON、不良品はくる。
三人   嘆くことはない。
医者   何しろ「それ」は誰のものとも違うのだから。
警部   そして歪で危うくて、でも憎めなかった「それ」がいつのまにか
カイ   改良に改良を重ねられ、ソフィストケイトされてしまった感じがしても
三人   悲しむことはない。
医者   改良に改良を重ねられながらも、
警部   遠回りした過程でまとわりついた音や絵や人々によって、
カイ   その心臓部のチップは確実に異常をきたし、形状記憶化され
医者   ときには「良品」の顔を装ったりして、
警部   <いやぁ、昔はLEMON+ed(レモンド)、不良品でした>なんてことを言いながら、
カイ    やっぱり足りない、永遠に足りないだろう「ネジ一個」を貪欲に、
医者   でもゆっくりと、途中いろんなものを飲み込み、
カイ   吐き出しながら探していくんだろう。
三人   こまった、こまった。
医者   でもしかたないよ。
カイ   なにしろ、ぼくらが手に入れたのものは、
警部   0.00001%あるいは、もっとずっとちいさな確率で出会えた、
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