205
205


登場人物

男1
男2
男3
女1
女2
天使




  音楽

  ここは、田舎の山の中にあるラブホテルの205号室。
  ラブホテルなのにも関わらず、安っぽいシングルベッド。一応、装飾はされているが、安っぽさはぬぐえない。
  鏡の無い鏡台。いや、鏡はある。100円ショップで買ったような安っぽい小さな鏡が。
  灰皿とホテルのロゴが入ったライター。「ロゴなんて見えんだろう」と思うが、そこら辺は雰囲気の問題。
  上着掛けには空のハンガーがかかっている。
  テレビの上には、落書きノートが転がっている。
  普通の田舎のラブホ。

  天使、やってくる。立て札を置いて、去る。
  立て札には、『拝啓、亡霊のあなたへ』とある。

  女2、やってくる。ったく、こんなもん置きやがってってな感じで立て札を抱える。
  代わりに、遺書と靴を置いて、去る。

  男1、やってくる。遺書と靴を目にして、驚く。
  それらを拾い集め、代わりに、オロナインを置いて去る。

  男2、やってくる。オロナインを見て、げんなりする。
  男2、タバコとライターを置いて、オロナインを持って去る。

  男3、やってくる。タバコとライターを拾う。
  勝手にタバコを一服。気持ちを置いて、去っていく。

  女1、やってくる。宇宙一コレステロールのたまらないキャノーラ油を手にしている。
  男3の残した気持ちを見つけ、駆け寄る。油を置いて、その気持ちを愛しげに抱きしめる。
  女1、そのまま去る。

  男1、キャノーラ油をやってきて、抱える。




  男1、立っている。そこへ、天使がやってくる。

男1  気がつくと、見知らぬ場所にいた。
天使  どうも、
男1  気がつくと、見知らぬ人が声をかけていた。
天使  どうも
男1  どうも
天使  始めまして
男1  始めまして?
天使  おーイエス、始めまして。
男1  …誰っすか?
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