さんたくろーす
   さんたくろーす



登場人物

    男

前説
男、文字の書いてある紙を持って、お客さんの前に出る。
男、その紙を説明しながら、お客さんと歌の練習を始める。
歌の練習が終わる。
「途中で、歌が入ります。その時は、今の感じでご協力ください。」と説明して、芝居に入る。



公園で待ち合わせている。クリスマスに彩られる街中。動いているものがみんなそわそわしている。
少し素直で、少しお洒落な時間。
木の下のベンチに男が座って、周りを見ている。犬の散歩を見送る。
男が一人の女性を見つけ、にこやかになる。
女が歩いてくる。


    あー、こっちこっち。
     ううん。
    大丈夫。
    こっちこそ、ごめん。こんな所に呼び出して。
    仕事? 大変だね。
    僕だって仕事してますよ。親父定年だし、弟まだ働いてないし。
    ま、長男だからね。

     うん、この辺こんな綺麗じゃなかった。
    もう一年か…。
     ほらあれ、台風の後、夜中、海、見に行ったっけ。
    すごかったよね。帰りに、屋台のラーメン食べた。
    うん、味うすかった。
     それから、食べ放題のケーキバイキングも。あの時は…
    食べ物ばっかりって? だって、あれは、良いとこあるからって言われて…
    本当に仕方なく?
    ふうん。
    楽しかった。


        間

    実はさ、話したい事があるんだ。
    別に変な事じゃないよ。
    何?
    いや、「け」はつかない。「か」がつく。
    そう。
    かっこん? 何、かっこんって? え、結婚?違うって。
    過去の話なんだ。
    違うよ。女性暦とかの話しでもない。
    他に好きな人なんていないよ。
    本当だって。真面目に聞いて欲しいんだ。
    そりゃ、わかるよ。いや、だから、結婚とかそういうんじゃなくって…
    だから、そういうのは、またにしよう

        間

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