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青春=ラグビー！…ボールも俺も歪んでる!?

『青春＝ラグビー!!ボールも俺も歪んでる!?』

夏井　一樹(なつい　かずき）平瀬　理沙(ひらせ　りさ）仲谷　紀子(なかたに　のりこ）
夏井　セントローレンス(なつい　せんとろーれんす）青木　ひかる(あおき　ひかる）

(舞台上薄暗い。中央にサス。Ａが立っているが顔はよく見えない）

平瀬　(下手から走ってきてＡのところで立ち止まる）たく、こんな所に呼び出して何の用？
夏井　話があるんだ。
平瀬　なによ、話って…
夏井　大切な話なんだ
平瀬　だからなによ!?
夏井　おれ…おまえが…欲しい
平瀬　な、なによそれ？(びっくりして）
夏井　おまえが必要なんだ
平瀬　きゅ、急にそんなこと言われても…(少し照れるように）
夏井　おまえと一緒に花園に行きたいんだ
平瀬　じょ、冗談でしょ？ハハハ…
夏井　お願いだ！(土下座する）
平瀬　そ、そのぉ〜えぇっと…
夏井　ラグビー部に入ってくれ！
平瀬　…へ？
夏井　知っての通り我がラグビー部は人数不足でもうすぐ引退だってのに試合にすら出られないんだ
平瀬　はい？
夏井　一緒に全国大会の地、花園ラグビー競技場を目指そうじゃないか
平瀬　ちょ、ちょっと…
夏井　大丈夫。おまえのその怪力、そして闘争本能、幼なじみの俺が身をもって知ってる
平瀬　だからって…(怒）
夏井　共に最強のラガーマンを目指そうじゃないか
平瀬　私は…女だぁー！(夏島を思いっきりグーで殴る。夏島がふっとんだところで中央のサス消える救急車の音が聞こえる）
青木　(再び中央のサス、青木が立っている）ラグビー…それは紳士のスポーツです。球技でありながら格闘技の
　　　要素を含む。激しい肉体のぶつかり、楕円形のボールを蹴る、投げる、持って走る。
　　　１５人の男達の熱き魂の戦い…それ故、ラグビーは男達を魅了し続けてきました…。(サス消えて、照明ＯＮ。急に口調が変わる）
　　　それなのに、この学校のラグビー部ときたら、弱いうえに根性無しで、練習のキツさに耐えかねて
　　　１人を除いてみんなやめちゃう始末。しかも残った１人も根性だけの空回り。
　　　ところが、どこぞの物好きがそのラグビー部に入ったとか…ぶっちゃけ、全然興味無いけどウチの部長が取材に
　　　行けってうるさくてさぁ〜、うちの部長、鬼みたいなやつでさぁー。。はぁ〜めんどくさい。
　　　(青木は上手へ移動）
夏井　(下手から登場。ラガーシャツに着替えてる）さぁー、今日もやるぞー！ん？なにやってんだ？早く来いよ
平瀬　(同じく着替えている）…すごい恥ずかしいんですけど
夏井　似合ってるぞ
平瀬　うれしくない！
夏井　しかし、よく入る気になったな〜
平瀬　あんたが誘ったんでしょ
夏井　アァ…そうなんだよな。どういうわけかその辺の記憶がスッポリ…
平瀬　ま、まぁいいじゃない。早く練習しましょ
青木　…あれが新入部員？あれって女よね
夏井　ん？君…何か用？
青木　あ、私は放送部の青木です。今日は毎週水曜日の昼休みに放送してる注目の部活のコーナーのための
　　　取材に来たんです。(営業声で）
夏井　しゅ、取材？(辺りを見回す）
青木　まぁ、使うかどうかはまだ分かんないですけど…
夏井　(青木を見つめて決めポーズ）ラグビー部部長の夏井一樹です。
平瀬　あ、平瀬理沙です
夏井　(ポーズを決めたまま動かない）
平瀬　…あんた何やってんの？
青木　…あ、あの私の話聞いてました？放送だから撮影とかは無いんですよ。
夏井　ん？そうなのか？
平瀬　アホ！

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