日常
「日常」作・ながみねひとみ
S476…人間型アンドロイド、メディアマジカルサイエンスを脱走する。
A154…メディアマジカルサイエンスのアンドロイドの管理を任されている。
N909…メディアマジカルサイエンスの責任者。
明良…高校3年生。静香に思いをよせる。
雄一…高校3年生、姉貴が大嫌い。
静香…高校3年生、明良をおかまだとおもっている。
父…明良の父、東大にはいりたかったらしい。
母…父にぞっこんラブな主婦。
久嶋…人材派遣会社に勤める働き盛りの営業マン。
坂下…人材派遣会社の長野支店の新人。
村松…坂下の同期だが態度がおもいっきり悪い。
誠…雄一の弟、彼女がいるらいい。ゲームをやるとうるさい。
美加…人材派遣会社のトップの成績を誇るキャリアウーマン。
柳沢…人材派遣会社に勤める、久嶋の同僚。ネット恋愛にはまっている。
母(柳沢)…柳沢の母、息子のいうことは冗談ばっかりとおもっている。
N909語り始める。
N909 ようこそ、メディアマジカルサイエンスへ、ここではあらゆる動物の遺伝子のサン
プルをとり色々な研究にやくだてています。残念ながら、人間のクローンは法律で
禁止されています…しかし…アンドロイドならば、それは十分可能です。顔、体は
もちろん性格から記憶にいたるまで、すべてが同じ、ただ違うのは機械か機械では
ないかということです。そこで我々は密かにさまざまな人間のサンプルを手に入れ
完璧なアンドロイドを…。
けたたましくサイレンが鳴り響く。
A154 こちらA154。こちらA154、緊急事態発生。N909ただちに応答せよ。
N909 こちらN909、状況を報告せよ。
A154 A154了解。アンドロイドS476がエネルギー補給のさい脱走。N909の指示を待
つ、どうぞ。
N909 N909了解、ただちにアンドロイドS476の捜索を開始せよ。
A154 A154了解、ただいまより、アンドロイドS476の捜索を開始する。全員直ちに
配置につけ。
場所は不特定。影語りはじめる。
影 真っ白な空間にただ突っ立っている僕。
影1 ここは僕の部屋でもなければうちでもない。
影2 だから僕は帰ろうと思った。
影3 目の前に懐かしい風景がひろがりはじめた。
影1 気がつくと僕の手には力が加わっていた。
影 真っ白な空間にただつったている僕。
影1 そこにあるのは僕の体と記憶だけ。
影2 僕が立ち止まるその日まで。
影3 日常の生活は当たり前に続いていく…。
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