電車
〜純情な妄想偏〜
〜電車〜
登場人物。
※祐一・・・妄想壁がある高校生。
※正樹・・・祐一の友達。
※電車の女の子・・・可愛い女子高生。
※悪い人・・・やくざみたいな人。
舞台設備は、中央に長めのソファーだけ。(椅子でもよい。)
そこに座る祐一。
祐一、立ち上がる。
祐一「皆さんは、名前も知らない人を、好きになったことはありますか?
どんな人かもわからない。話したこともない人を。」
祐一、舞台の上手前方へゆっくり歩いていく。
祐一「僕は今、恋をしているんです!名前も知らない、話したこともない人に!」
電車の女の子、ホームから電車入ってきたマイムでソファに座る。
祐一「その人は、いつも同じ電車の、同じ車両に乗ってきます。
そして、長い髪をふわりとさせてゆっくり座るんです。」
電車の女の子、鞄から本を取り出す。
祐一、女の子の方を見ながら話し出す。
祐一「美しい黒髪・・・。シャンプーはきっとモッズヘアーだろう・・・。
いや、あのシルクの輝きはラックススーパーリッチ(発音よく)かもしれない。」
電車の女の子、立ち上がってドアの前(下手後方)へ行く。
祐一「ああ、今日も行ってしまう・・・。なにか一言話しかけようか?」
ためらう祐一。
電車の女の子ドアから下りて下手へ掃ける。
祐一「今日も駄目だった・・・。いつもあと一歩が踏み出せない・・・。
だが、いつの日か僕は言いたい!!あなたを愛していると!!
ア〜イ!!ラ〜ヴ!!!ユ〜!!!!!」
下手から正樹が出てくる。
正樹「何やってんだよ祐一!?」
祐一「はっ!!」
正樹「また妄想か!?ったく・・・人がちょっと大便をしてくればこれだ。」
祐一「ほっといてくれ!!」
正樹「はぁ・・・。友人としてこの正樹様が一つ言っておく!妄想と現実は違う!!」
祐一「・・・わかってる。」
正樹「手っ取り早く話しかけちゃえばいいじゃん。」
祐一「それじゃ、ナンパと同じじゃないか!」
正樹「じゃあどうすんの?」
祐一「きっと、奇跡は起こるはずさ。」
正樹「奇跡ってどんな?」
祐一「うん。いいか?まず、いつもの通り彼女が電車に乗ってくるんだ。」
電車の女の子、またドアから入ってソファーに座る。
正樹「ふんふん。」
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