五番目の願い事
※人数削減版

「五番目の願い事」
                   黒川 零

 キャスト

・黒崎 アヤメ  高校1年生、女

・レグルス    見習い天使、男
・ミラ      見習い天使 女

・サクラ     アヤメのダンス仲間、女
・ナズナ     アヤメのダンス仲間、女



・母親      アヤメの母親

・イツキ     アヤメの弟、中学2年生



**********

 オルゴール調の音楽が流れている。
 声だけ、または、閉じた幕の前に出てきてアヤメ。

アヤメ:朝になったら起きて、支度して、学校に行って。
    部活やって帰って来て、友達とメールして、宿題もやらずに寝ちゃって。
    そう言う毎日って、当たり前のことだと思ってた。
    …気がつくのが、遅すぎた…。



母親:(声のみ)アヤメ!起きなさい!遅刻するわよ!

 照明が入ると、アヤメの家の中。
 イツキと母親が朝食を取っているところにアヤメが駆け込んでくる。

アヤメ:おかーさんなんで起こしてくれないの!?

 ばたばたと慌しく身支度を整えるアヤメ。母親、ため息をつく。

母親:何度も起こしたでしょ、アヤメが起きないだけで。
アヤメ:ちゃんと起きるまで起こしてくれればいいのに!あーもう、遅刻しちゃうよ!
イツキ:ったく…朝からうるさい。
アヤメ:あんたには関係ないでしょ!
イツキ:あるね。姉ちゃんがうるさくて食事がまずくなる。
アヤメ:イツキの食事なんかどうでもいいし!おかーさん、私のケータイ知らない!?
母親:またどっかに置きっぱなしにしたの?片付けなさいっていつも言ってるでしょ。
アヤメ:今お説教聞いてるヒマないんだってば!で、ケータイ知らない?
イツキ:うわー、バカ丸出し。
アヤメ:何?あんたさっきからムカつくんだけど!
イツキ:…姉ちゃんのうるさい声聞いてるほうがよっぽどムカつくんだけど。
アヤメ:はぁ!?何あんた。最近調子乗りすぎじゃない?
イツキ:あんたに言われたくないね。
母親:二人ともいいかげんにしなさい。
アヤメ:てかあんたみたいのが私の弟だなんてホントに頭来るし。
    もうこのうちから出てってくんない?私の前に姿現さないでよ。
イツキ:だったらあんたが消えれば?俺別に困んないし。
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