R75 恋慕
〜「ま、いいか」の先にある愛すべき日常〜















  R75 恋慕

       ?「ま、いいか」の先にある愛すべき日常?
             
竹笛パンダ
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 あらすじ

 熱海の町で暮らす老夫婦、幸子と仁。
 認知症を抱える幸子は、「女がいる」「水の音がする」といった幻の中で日々を生きている。
 夫の仁は、商店街の人々とのつながりの中で、幸子の日常を支え続ける。
 
 ある日ふたりは、病院への定期診察という名の「デート」に出かける。
 診察室で語られる、幻が現れる理由。
 医師の言葉を通して仁は、幸子にとって自分が“道標”であることに気づく。
 ──幻と現実、記憶と今。
 正しさよりも、「隣にいようとすること」が、ふたりの絆を育んでいく。
 
 唐揚げの取り合い、プリンを巡る小さな事件、それらを「ま、いいか」と笑い飛ばしながら重ねていく日々。
 少女のような幸子の笑顔に、ふたりのすべてが込められていた。

『年を重ねること』が、こんなにも愛おしいと知る、静かで、あたたかい、人生の午後の物語。
 すこし不思議で、すこし切なく、そしてやさしい喜劇です。
 観終わったあと、観客がふっと、誰かにやさしくなれること。

 そして、冷蔵庫のプリンを見て、あのふたりを思い出してくれること──それが、作者としての何よりの喜びです。
 
 この物語が、観た人すべての胸に、小さな灯をともせますように。

 登場人物

幸子(77歳・女性)
 レビー小体型認知症を患う主婦。現実と幻が混ざり合う世界を生きながら、夫との日常を大切にしている。

仁(74歳・男性)
 幸子の夫であり、主な介護者。町に根差した人間関係と実直な性格で、幻に翻弄される妻の生活を支える。

林Dr.(50代・男性)
 幸子の主治医。誠実で丁寧な診察を通じて、仁に“夫婦としてのあり方”を静かに伝える存在。

その他キャスト
 商店街の人々、運転手、店員、管理人、看護師など

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