さよなら相棒
さよなら相棒
【登場人物】
・アルト(台本上男性) …小柄、ナイフを使う、過去に誘拐されたトラウマで銃声が苦手。
・シン(台本上男性) …背が高い、銃が得意、楽観的。
・ボス…アルトとシンのボス
・キング …大物、ターゲット。
・モブ…敵役数人(同じ人でも可)
人数はおまかせしますが最低2人
【あらすじ】
殺し屋のアルトとシンは、互いの得意分野を活かしたコンビとして数々の任務をこなしてきた。しかし、アルトの銃への強い嫌悪感から、シンは自身の銃の腕を封印し、アルトの接近戦に付き合わざるを得ない状況が続いていた。過去の誘拐事件で負った銃声へのトラウマに囚われるアルトは、シンの隠れた才能を知りながらも、その頼みに甘えていた。そんな中、大物ターゲット「キング」の暗殺任務が舞い込む。取り巻きのSPに阻まれ、銃撃戦に発展する中、アルトはパニックに陥ってしまう。シンは相棒を救うため、そして自身の誇りのために、秘めたる銃の腕を解放する決意をするが、それは彼らの運命を大きく変えることになる。
【本編】
幕が開く
場面1:腐れ縁の始まり
〔M〕薄暗く、重苦しいジャズ調のBGM
アルト、テーブル席でモブ1と向かい合っている。アルトは小さめのナイフを指先で弄んでおり、モブ1は怯えた表情で座っている。
ア「…それで、君は彼に何を話したんだ?」
モブ1「ひっ…何も、何も話してない!ただ…少し、昔の話を…」
ア「ふうん。昔の話、ね。僕は、昔の話ってあんまり好きじゃないんだ。だって、もう変えられないから。どうせなら、未来の話の方が面白いのに」
モブ1「…未来?」
ア「そう。例えば、君のこれからとか」
舞台袖からシンの怒鳴り声と、何か物が壊れるような大きな音が聞こえてくる。
シ(声)「おい!いい加減にしろって言ってるだろうが!」
モブ2(声)「やめろ!俺は何も知らねえ!」
〔SE〕(何かが倒れる音)
アルトの表情が一瞬で変わる。穏やかだった目が、冷たい獲物を見るものに。
ア「…おっと。どうやら相棒が、少し手こずっているみたいだ」
アルト、次の瞬間にはモブ1の胸元にナイフを深く突き刺す。モブ1は声も上げられず、その場に崩れ落ちる。
〔M〕BGMが途切れ、静寂
シン、血の付いた素手で入ってくる。背後には倒れているモブ2が見える。
シ「ったく、この程度で手こずらせるなよな。…お、任務完了か」
ア「あぁ。君もご苦労様。随分と手荒だったみたいだけど」
シ「うるせえ。こんな雑魚に構ってる暇はねえんだよ。さっさと帰ってビールでも飲もうぜ」
シン、倒れているモブ1の死体を見下ろす。
シ「ったく、わざわざナイフでやる必要ねえっての。俺の銃なら一発で終わりなのによぉ」
ア「…銃は使わない。それは、僕らのルールだ」
シ「ルールって言ったって、お前が勝手に決めたルールだろ?俺は名うてのガンマンだったんだぜ?この腕が泣いてるぜ、相棒」
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