モテタイ・トリオ
モテタイ・トリオ
タツヤ
トモキ
ジュンヤ
シンゾー
灯りがつく、二人のスーツの男、静かに資料を読んでいる。トモキとジュンヤである。そこに、タツヤがやってくる。
タツヤが来ると、二人は姿勢を正す。
タツヤ、軽く会釈をする。
タツヤ「今日は集まってくれてありがとう。君たちに来て貰ったのは、他でもない。君達にしか、相談できない事があるからだ。」
トモキ「俺達にしか出来ないこと?」
ジュンヤ「何でしょう?僕達で良ければ、いつでも力になりますよ。」
タツヤ「ありがとう。さっそく本題に入ろう。突然だが2人とも…彼女はいるか?」
ピリッとした間
トモキ「いや…まぁ、なぁ…」
ジュンヤ「今は…居ませんね。」
タツヤ「そう、俺達は…モテない。何故か、モテない。圧倒的に、モテない。」
トモキ「まぁ…」
ジュンヤ「そう…ですね…」
タツヤ「そんなわけで、俺達は30代も半ばになろうというのに、童貞である…。これは、由々しき問題だと思わないか?」
トモキ「…そりゃあ…」
ジュンヤ「…え…?相談って、それ…?」
タツヤ「そうだ。」
トモキ「え、タツヤさん、だって、女なんて居なくても生きていけるって飲み会の時に言ってたし、それで盛り上がったじゃないですか!花の30代童貞同盟だって!」
タツヤ「アホか!酒を飲んで言った言葉なんて、覚えてるわけないだろ!しかもなんだそれ…そのバカみたいな同盟…!!アホか…!!」
トモキ「えぇ!?自分で言ってたのに!?」
ジュンヤ「いや、あの時のタツヤさん、目が座ってたから、俺は気付いてましたよ。俺、日とを見る眼、ありますから。」
タツヤ「ありがとう。そこで、俺は思った。このままでいいのだろうかいやよくない。モテたい。そろそろモテたい。そろそーろ、モテたい。」
トモキ「想いが強すぎて、語彙が無くなってる…」
ジュンヤ「でも、どうするんです??モテない男三人集まって、先生も生徒も全員童貞で。それってなんの意味が…。」
トモキ「三人寄れば文殊の知恵って言うだろ」
タツヤ「下手の考え休むに似たりとも言う…」
ジュンヤ「ダメじゃん。」
タツヤ「うむ。ダメだ。まるでダメ。なので、俺は考えた。出来てる奴から学ぶのが一番だ、と。というわけで、先生、どうぞ!」
シンゾー、やってくる。
シンゾー「あ、どうも…」
トモキ「あ、あなたは!」
ジュンヤ「100戦練磨の恋愛マスター!!シンゾーさん!!」
シンゾー「いや、そんなんじゃないですけど…」
タツヤ「そう、彼こそ営業第2課主任であり、モテてモテてどうしようもないシンゾーさんだ!彼の凄いのは、平凡そうなのに、何故かめちゃめちゃモテることだ!今日の秘訣を教えてほしいと思ってる!」
シンゾー「いや、俺なんて別に何も教えられる事は無いと思いますけど…」
タツヤ「聞きたいこと、あるか?」
トモキ「あ!はいはーい!先生!今まで何人の女の子と付き合ってきたんですか??」
シンゾー「そういう話を出来るぐらいまで、まず君の事を教えてほしいです…。結構デリケートな話なので…。」
タツヤ「おぉ…!?」
ジュンヤ「なんです??」
タツヤ「いきなり自分の情報を開示しないでミステリアスを装い興味をそそる…!そして、可能性を閉ざさず、知りたいと思わせる
余白を残してスルリとデリケートなラインを避ける…高等な文言だ…!!」
ジュンヤ「え、こういう感じで進んでいくの?」
タツヤ「さすがシンゾーさん!モテる男は重みが違いますね。」
シンゾー「いや、考えすぎだって…。」
タツヤ「それに比べてトモキ、お前最悪だな。いきなり初対面で相手のデリケートなラインの質問して。女の子に経験人数いきなり聞くようなもんじゃないか!」
トモキ「俺普通に聞きますよ。キャバクラとかで…」
タツヤ「童貞がキャバクラ行くな!女を知ったような気分になって終わりだ!」
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