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いつまでも、どこまでも

〇登場人物
悟司…兄、大学２年、超絶シスコン、妹思い、すぐにちょっかいを掛けたがる、1人暮らし中、英語だけ得意
叶音…妹、中学３年、信じやすい、英語が苦手
咲良…２人の母親、やや神経質

１
鳴り響く警報音。
明転。
悟司の元に電話がかかって来る。

悟司　　もしもし。なんだよ母さん。え、何？地震？津波？何のことだよ？ああ。

悟司急いでテレビをつける。そこには地元の近くの地域が波にのまれる様子が映されていた。

悟司　　うそ、だろ。家は大丈夫なのか？え、呑まれた？まじか。母さんは無事なんだな。父さんと叶音は？うん、うん。良かった。叶音は？え…。帰ってきて、ない、だと。

悟司その場で生気を無くしたように佇む。

悟司　　叶音…。

暗転

２
リビング。時刻は午前９時。
悟司は床に雑魚寝、叶音は座ってスマホをいじってる。
母の咲良が一枚のメモを書いて家を出ようとする。

咲良　　じゃあ、でかけるわね。

叶音　　お母さん行ってらっしゃい。

咲良退出。
少しして悟司起きる。

悟司　　…体痛。

叶音　　お兄ちゃん、やっと起きた。

悟司　　叶音？ここは？

叶音　　何寝ぼけてるの？家に決まってるでしょ。

悟司　　家…そっか。そうだよな。

叶音　　お兄ちゃん変なの。

悟司（N）　これは夢？いや、今までが夢か。家もあるし叶音もいる。きっとそうだよな今までが夢だったんだ。そうだよな。

叶音　　それで昨日は何時に帰ってきたの？

悟司　　え、昨日って？

叶音　　しょうくんと飲みに行ってたんでしょ？

悟司　　ああ、そういやそうだったな。何時に帰ってきたんだろ。てか俺どうやって帰ってきたんだろ。全く覚えてないなあ。

叶音　　もう、私もお母さんも心配してたんだからね。お酒解禁になって嬉しいのはわかるけどあまり飲みすぎないでよ。

悟司　　分かってるよ。母さんはもう仕事行ったの？

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