▼ゲームシステムからの脱出
▼ゲームシステムからの脱出
魔王(♂) 魔王
魔王2(♂) 魔王の厨二病のすがた
魔王3(♀) 魔王の女性のすがた
側近(♂) 側近
勇者(♂) たまに変になる勇者
通行人A(♂) ぎゃるお(勇者が兼任可能)
ドアと椅子がある
魔王と側近登場 魔王は座って待機
バァン!(ドアの音) 勇者が走りながら登場
勇者「お前が魔王だな! お前を倒し、この世界を救うんだ!」
勇者、くるっと反対向きになってドアをガチャガチャし始める
魔王、困惑しながら
魔王「え? 勇者?」
勇者「……」ガチャガチャガチャガチャ
魔王「あのー、勇者さん?」
勇者「……」ガチャガチャガチャガチャ
魔王「グワーーーーーッ!」
突然魔王が倒れ、ゲームクリアの音楽が流れる
暗転 勇者退場
魔王が棺桶もどきの中に入って寝ている。側近はそばで控えている。
魔王がむくりと起き上がる。
魔王「……側近よ」
側近「はい、魔王様」
魔王「これで何度目だ?」
側近「勇者に殺されるのは6666回目です。魔王様」
魔王「今回の勇者、頭おかしかったな」
側近「勇者におかしくない時なんてないですよ。しっかりしてください」
魔王「しかしなあ……勇者が吾輩の部屋に来るなりドアを開け閉めしまくったら、吾輩死んだんだが。ゲームクリアになったんだが。これもう理不尽じゃない? 一生懸命剣と魔法で戦っている吾輩バカみたいじゃない?」
側近「そうですね。かなりアホらしいかと」
魔王「もう死にたくない……側近、貴様は知らないだろうが死ぬって痛いんだぞ」
側近「私は魔王様のそばに控えているNPCなんで。死ぬとかいう概念ないんで」
魔王「くそ、うらやましいぞ。……側近。勇者に勝つにはどうしたら良い? アイツHP1で持ち堪えるんだぞ。意味わからんだろ」
側近「勇者になれば良いのでは?」
魔王「は?」
側近「勇者は最近プログラムの穴を突くことにハマっております。勇者に出来て魔王様に出来ない道理はないでしょう」
魔王「なるほど。つまり、頭がおかしくなれば良いと?」
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