馬鹿と詐欺師とモノローグ
『馬鹿と詐欺師とモノローグ』
作・大盛り
王様:王様。とにかく馬鹿。九九とかも言えない。
大臣:大臣。王様が馬鹿だとバレないように頑張る。よくモノローグを言う人。
詐欺師:天才詐欺師。仕立て屋として馬鹿には見えない服を売っている。よくモノローグを言う人。
子供:最後のシーンにだけ出てくる。台詞は一言だけ。音声だけの登場でもいいのかもしれません。
とあるお城の王の間。
王様、玉座に座って自分に催眠術をかけている。
王様:えー、あなたはー3つ数えるとー手袋が食べれるようになるー。
はい、3、2、1……(手を叩く)
はっ!え?これかかった?かかってる?かかったかも。
手袋食べてみよ。(手袋を探す)ん?あれー?ないぞー?
あー、そういえば手袋なんて持ってなかったわ。ははは。
ちょっと違うけど布ならいけるかな?ハンカチ食べてみよ。
(ハンカチを口に入れる)はむはむ……。
大臣、王の間に入ってくる。
大臣:王様!王様ー!
王様:(ハンカチをくわえて)もごもご!大臣じゃん!
大臣:何をしているんですか?
王様:(ハンカチをくわえて)ハンカチ食べてる。
大臣:まぁたおかしなことを……。
王様:王様、自分に催眠術かけたんだよ。
大臣:自分に催眠術ぅ?
王様:そう。手袋が食べられるようになる催眠。
大臣:それが何でハンカチ食べてるんですか?
王様:いや、手袋なんて持ってなかったから、代わりにハンカチを。
大臣:(ため息)はぁ……。そうですか……。
大臣M:ポーン!
王様は本当に馬鹿だ。
先代の王様は聡明でご立派な方だったのに、何故この人はこんなにも馬鹿なんだ……。
(ため息)はぁ……。ため息しか出ない……。
王様:あ、そうだ。大臣。
大臣:あ、はい、何ですか?
王様:今日街からお客さんくるから。
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