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「暁探偵事務所秘密ファイル№１・・カードの家・・」

「暁探偵事務所秘密ファイル№１・・カードの家・・」
　　　　火曜サスペンスに捧げるファンタジックオマージュ

　　　　　　　　作　結城　翼
　　　　　　　　　　
　　　
★登場人物
森　真介　（２５）暁探偵事務所所長。
　　　　　　　　元刑事。
　　　　　　　　まるでやるきがないロマンティスト。
　　　　　　　　マリ子にへきえきしながらも、やがて受け入れていく。
竹内マリ子（１７）依頼人・竹内夫妻の一人娘（養女・・元愛人の娘らしい）・虚言癖有り。
　　　　　　　　ファザコン。純粋。傷つきやい。さびしんぼ。
　　　　　　　　けと、つっぱる、つっぱる。小悪魔。生意気。
　　　　　　　　両親に不信感
　　　　　　　　大城に思いを寄せている。
　　　　　　　　猫を狂言誘拐しようとする。
　　　　　　　　過程の中、真介に思いを寄せることとなる。
　　　　　　　　事件のあと猫を連れて、探偵事務所の一員となる。
　　　　　　　　後、真介と結ばれる。・・これは後日談。
竹内耕三　（３９）竹内企画社長・・・事業一筋・竹内家の先代に見込まれての婿養子。
　　　　　　　　妻とは冷え切っている。
　　　　　　　　都に手をつける。当然、妻には知られている。だが、お互い無視。
竹内響子　（３７）家付きのその妻。わがまま。娘に過剰な期待。
佐竹　都　（２０）竹内家のお手伝い。
　　　　　　　　猫の狂言誘拐の共謀者？・・猫を預かる。
　　　　　　　　大城と時々関係。遊びと割り切っている。今時の子。
　　　　　　　　好奇心旺盛。お金を貯めることが趣味。将来花屋を経営することが夢。
大城陽介　（２３）竹内企画社員。金に困っている。
　　　　　　　　マリ子の狂言誘拐に乗るが、やがて都と組んで本格的に金を搾り取ろうとする。
　　　　　　　　都に強請られ、都を殺してしまう。
マイ　　　　　　竹内家の飼い猫
葵　夕子　（２０）暁探偵事務所所員。気のいいさっぱりした相棒。

Ⅰ　プロローグ　暁探偵社事務所

　　　　　　　　裏びれた一室しかない事務所。午後３時頃。
　　　　　　　　デスクに座って森真介（２８）がカードの家を建てている。
　　　　　　　　缶コーヒーを持って入ってくる葵夕子（１９）

夕子　：（自分の缶コーヒーを飲みながら）できた？
真介　：百五十九回目。
夕子　：わー、そんなに？
真介　：建て損なったんだよ。あっ、また！

　　　　　　　　崩れるカードの家。
　　　　　
真介　：お前のせいだぜ。

　　　　　　　　また、積み始める真介。

夕子　：懲りないのね。
真介　：俺は、我慢強いんだ。
夕子　：やることないんでしょ。
真介　：うるさいな。
夕子　：せっかく買ってきたんだから、三時のコーヒーでも飲んだら。どうせ、今日も客なんてこない　よ。
真介　：ガキは黙ってお茶くみしてろ。
夕子　：はいはい。

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