synchronicity
◆梗概
大地震と津波に襲われた原子力発電所は、電源を喪失する。放射性物質の拡散が止まらず、原発は「モノリス(石棺)」と呼ばれるコンクリートの建造物で覆われた。ユウたち4人はその隣の施設で共同生活をする。
モノリスの石棺としての機能は限界に近づいている。
◆キャスト
ユウ
アオイ
マコト
カズキ
◇一場
開幕。
音楽フェードイン。薄暗い照明(青暗転)の下、4人はゆっくりと登場。
音楽カットアウトと同時にステージサイドライトがともる。
カズキ 君もかい?
アオイ 君は?
ユウ 僕もそうだ。
マコト 僕も同じだ。
皆、安心した表情。
薄暗い照明に戻る。音楽フェードイン。
◇二場
舞台上の箱にそれぞれ座る。
明転。皆、携帯機器を取り出し、研究を始める。
音楽フェードアウト。
ユウ ねぇ、アオイ。
アオイ (無視)
ユウ アオイ!
アオイ (またかという表情)なんだ。
ユウ この数式、どうやって解くの?
アオイ どれ?
ユウ (アオイのところへ移動)
アオイ (携帯を見て)この問題は、この前も教えたじゃないか。人の話をちゃんと聞いてないんだろう。
ユウ 僕、数学、苦手なんだ。だからもうちょっと優しく教えてくれてもいいだろう? アオイは数学得意なんだから。アオイはいつもそうだ。
アオイは相手にしない。ユウはなおも質問しようとするが、
カズキ ユウ、アオイが嫌がってるじゃないか。研究の邪魔をするな。
ユウ そんなこと言ったって、わかんないんだもん。
ユウはしぶしぶもとの席に戻り、研究をし始める。
やがて飽きてしまい、ポケットの中にあった紙をちぎって丸め、アオイへぶつけはじめる。
アオイ やめろ。
ユウ、一度はやめるが、またぶつけはじめる。
アオイ (堪忍袋の緒が切れて)やめろって言ってるのが、分からないのか!
ユウ、相変わらず、ふざけた表情としぐさ。
アオイ ふざけるのもいい加減にしろ。人の邪魔をして。
逃げるユウ。二人はもみあいになる。ユウも応戦。ユウは勢いを付けて何度かつかみかかるが、アオイにはかなわず、はねとばされ、転ぶ。
カズキ やめろ!
ユウ そんなに、真剣に、怒ることないじゃないか……ちょっとふざけただけなのに。(泣き顔)
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