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化石になれたら

化石になれたら

(ぽむ)２人の友達
(五十嵐)ナルシスト
(ザクロ)五十嵐と幼なじみ

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(ぽむはスマホを見て座っている)

(ぽむ)すごいな〜

(五十嵐)何を読んでいるんだい？
もしかして……！僕を中心に組まれた町内新聞の一説かな？いつものつまらない短歌コーナーを、僕の愛の詩集に変えてもらったんだ

(ザクロ)はいはい、あれはあのうち撤去されるからなー

(五十嵐)え！どうしてだい？あれの何が悪いっていうんだい？！

(ザクロ)全てだろ。青少年の健全育成に反して居るんだよ。

(五十嵐)なにっ！それは詩集コーナーをきちんと読んでいないからだ。あの詩集はゲーテの愛の詩集を参考にしていて……

(ザクロ)はいはいお前はよく分からない話やめような〜。
それで？お前は何をみてたの？

(ぽむ)あぁ、この記事。

(五十嵐)なんだいこれは？ネットニュースかい？

(ぽむ)うん。読んでたんだ。

(五十嵐)ああっ！！君までインテリかぶれになってしまうなんて！つまらない人間は彼だけで十分なのだよ！

(ザクロ)うん〜？誰がつまらない人間だってそれでどんな記事なの？

(ぽむ)ええとね。これだよ。

(ザクロ)化石？

(ぽむ)うん、化石。茨城県のとある住宅街で、化石が見つかったんだって。

(五十嵐)おおっ！どんな化石だい？

(ぽむ)マンモスだって。相当大きいものらしいよ。すごいよね。

(五十嵐)ああっ！魂が震えてしまうよ！古代の神秘が現代の人間によって発掘されていく様……！言葉にするのも惜しいくらいの眩さだねぇ…！

(ぽむ)うん、お前が何言ってるかわかんないけど。かなりすごい事だと思う。

(ザクロ)へ〜俺らも死んだら化石になるのかね？

(ぽむ)うーん、どうだろう、難しい話じゃないかな。そもそも人間から化石になるっていうのは凄く稀(まれ)なことなんだ。

(五十嵐)そうなると…人は死んだら必ず化石になるとも言えるね！だって、身体を燃やしたら骨になるじゃないか！そうしたら化石だろう？！

(ザクロ)滅相もないこというな……

(ぽむ)いや、それは間違いだ。
化石というのは、その時代を生きたものが土の中で蓄積されたものだ。骨だけでは化石とは言えない。

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