香り纏うヴェール (20分)
2025年版
■■■朝食
   ○、洗い物をしている。
   寝起きの◆がダイニングに現れる。

◆ おはよう。
○ おはよう。先に食べてていいよ。
◆ 待つよ。
○ いいのに。
◆ 今日は急ぎじゃないし。
○ そう。だったら一旦切り上げて、私も一緒に食べちゃおうかな。
◆ じゃあ、
○ いただきます。
◆ いただきます。
○ ジャムは?
◆ いいよ、自分で取るから。
○ あ、残り少ないかも。
◆ ホントだ。
○ 買っとくね。
◆ うん。
○ またブルーベリー?
◆ 他も試したい?
○ 私そんなに食にこだわりない。
◆ 知ってる。
○ 貴方が紅茶にジャム入れるの見て、最初はどうかなって思ったんだけどね。
◆ 食にこだわりないのにね。
○ 親の躾のせいだよ。やる事なす事はしたないって言われて、礼儀を教え込まれてると思っ
  てたのが、社会に出たら単に親のエゴを押し付けられてただけって分かった。
◆ 紅茶とジャムって他の国には普通にある組み合わせだからね。
○ ブルーベリーの花言葉は、えっと…、知恵! 知恵と…? 知性と…! 知恵と知性。知
  恵と知性と…、知恵と知性と…? 大丈夫? 私、今、知恵と知性全然ない感じになって
  ない?
◆ 好意。有意義な人生。
○ 覚えとくね。
◆ 忘れてもいいよ。また教えるから。
○ うん。今夜は何が食べたい? 
◆ ちょっと一緒に行ってみたい店を見付けたんだけど…。
○ 記念日に取っておかなくていいの?
◆ 記念日にしか特別な事がないなんて勿体ないよ。
○ 仕事は早く終われそうなの?
◆ 今日は大丈夫。
○ 分かった。
◆ 一緒に居てくれて、幸せな時間をありがとう。
○ こっちこそありがとう。
◆ 待ち合わせの時間と場所、後で伝えるから。
○ 楽しみにしてるね。

■■■◆勤め先、歯科医院
   準備中の◆・☆。

☆ 私は授業中も好きな人だけずっと見てました。先生はどうでした?
◆ 時間とお金をかけて勉強しに行ってるのに勿体ないよ。それこそ専門学校は。
☆ だから、好きな人からノートを借りるんですよ! 会話の切っ掛けにもなるし!
◆ 貸してもらえなかったらどうするの?
☆ 貸してくれるまで、貸してって言います。
◆ その後は、どうするの?
☆ 付き合ってくれるまで、付き合ってって言います。
◆ なんていうか…。まぁ、いいや。
☆ それこそ専門の時も押しまくって付き合って、なのに浮気されて別れちゃいました。
◆ 振ったの?
☆ 振られたんです! 
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